NY金(中心限月、日足)

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先週のNY金(中心限月)は、前週末比10.5ドル安の1800.2ドルで終了となり、3週ぶりに反落。

11月消費者物価指数(CPI)の伸び率が前年同月で5ヶ月連続で鈍化し、FRBが積極的な金融引き締め姿勢を後退させるとの見方が拡がる中、12月13日に1836.9ドルまで買い進められる場面も見られたものの、FOMC(米連邦公開市場委員会)でFRBがタカ派な姿勢を維持したことから、急落。12月15日に一時1782.0ドルまで下げる場面も見られております。FRBに続いて、欧州中央銀行(ECB)や英イングランド銀行、スイス中銀なども利上げ継続を発表。金融引き締めによるリセッション(景気後退)への懸念が再燃する中、「金利を生まない資産」である金を手放す動きが強まった様です。

FOMCメンバー19人の経済・金利見通し(SEP)で、FF金利見通し中央値は、2023年末が年5.125%と、9月時点の見通し(4.625%)から引き上げられました。CPIの発表を受けて、市場の一部でターミナルレート(政策金利の最終的な到達点)が5%を超えないとの見方が浮上していたため、ややタカ派の印象を与えた模様。また、パウエルFRB議長が、来年の利下げを否定してことも嫌気された様です。

翌16日は、金融引き締めによるリセッション(景気後退)への警戒感が再燃する中、「安全資産」として買われる場面も見られたものの、FRB高官のタカ派な発言を受けて戻り売りを浴びております。

NY連銀のウィリアムズ総裁は、インフレ抑制のため、政策金利は見通した水準を超える可能性があると発言。サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は、インフレ低下に対する市場の楽観的な見方に疑問を呈し、来年は金利据え置きの見通しを示しました。

テクニカル的にも、MACDがデッド・クロスとなる中、1800ドルを回復出来ない様だと、上値の重さが意識され、短期的に1750ドル辺りまで下げる可能性もありそうです。

なお、独金融大手コメルツ銀行は、FRBの利上げサイクルの終了が明確になるまで、金は1750ドルまで下落する可能性があると見方を示しました。ただ、来年末までには1850ドルに上昇すると予測しております。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は12月16日時点で前週末比変わらずの910.41トンでした。

一方、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比0.91トン減少の449.50トンと、16週連続で減少となっております。

 

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