NY金(中心限月、日足)
↓クリックすると拡大します↓
・WGCの需給レポートはこちら
・金の地上在庫はこちら
・公的機関の金準備はこちら
・中国の金準備はこちら
・中国の金輸入量はこちら
・スイスの金輸出量はこちら
先週のNY金(中心限月)は、前週末比55.2ドル安の2657.0ドルで終了。反落しております。
ウクライナ情勢が再度緊迫化する中で「安全資産」として買い進められて、11月18日から22日まで5営業日続伸。11月22日に11月7日以来の2700ドル台を回復。翌25日に2723.2ドルまで上昇するも、イスラエルとレバノン両政府が停戦案に合意したと報じられる中、中東の「地政学リスク」を巡る警戒感が後退し、「安全資産」として買われて来た金を手放す動きが強まったことから急落。翌26日に2605.3ドルまで下げる場面も見られております。トランプ次期米大統領が、財政規律を重じるスコット・ベッセント氏を米財務長官に指名したことで、米財政赤字拡大に対する過度な警戒感が和らいだことも、相場を押し下げた模様。
ただ、ウクライナ情勢の先行き不透明感が一段と高まる中、「安全資産」として金を選好する動きは根強く、心理的節目の2600ドルは維持。また、FRBの「利下げサイクル」が続くとの見方も価格を下支えした様です。「FedWatch(フェドウォッチ)」(11月29日時点)によると、12月のFOMCでFRBが0.25%の利下げを行うとの見方は63.5%。据え置くとの見方は36.5%となっております。パウエルFRB議長の発言を受けて、市場で利下げ停止観測が拡がり始めていましたが、FOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨(11月6、7日開催分)で、参加者の多くが段階的な利下げを支持していたことが明らかになり、再び追加利下げ観測が拡がっております。
そのため、11月26日から29日まで3営業日続伸しておりますが、50日平均線のレジスタンスが強まる中、ここから先は段々と上値が重くなって行く様に見えます。一方で、100日平均線がサポート・ラインとして意識され始める中、目先は100日平均線と50日平均線の狭いレンジで推移することが想定されます。
SPDRゴールド・シェアの金保有残高
↓クリックすると拡大します↓
最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は11月29日時点で前週末比0.58トン増の878.55トンと、2週連続で増加。
一方、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比0.18トン増加の392.77トンと、3週連続で増加しております。
金ETFの金保有残高は引き続き増加傾向にあり、今回の急落は短期筋主導の動きで、感謝祭に伴い市場参加者が少なくなる中、ボラティリティが高まったと見られております。
※豊トラスティ証券株式会社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものです。銘柄の選択、売買価格など投資にかかる最終決定は弊社の重要事項説明書を十分にお読み頂き、投資家自身の判断でなさる様にお願い致します。本資料作成につきましては細心の注意を払っておりますが、その正確性については保証するものではなく、万一その内容に誤りがあった場合、その誤りに基づく障害については当社は一切の責任を負いかねます。