NY金(中心限月、日足)

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先週のNY金(中心限月)は、前週末比30.7ドル安の2645.1ドルで終了。3週ぶりに下落に転じております。

12月12日から19日まで6営業日続落。12月12日に2761.3ドルまで上昇する場面もみられるも、インフレ再燃懸念から急落。翌13日も大幅続落となり、50日平均線を割り込みました。その後も軟調な地合いを継続。

FRBはFOMC(米連邦公開市場委員会)で、3会合連続の利下げを決定したものの、声明と同時に公表された最新のFOMCメンバーの政策金利見通し(ドットチャート)で、インフレが想定より上振れしていることを理由に2025年の利下げ回数見通しを2回と、従来の4回予想から引き下げました。FRBが「タカ派」姿勢を鮮明にしたことで、米長期金利が節目の4.5%を上回り、7ヶ月ぶり高水準まで上昇。ドル高が進行し、相対的にドル建て商品に割高感が生じる中、12月19日に2596.7ドルまで下げる場面も見られたものの、終値では節目の2600ドルを維持。そのため、20日は7営業日ぶりに反発に転じました。

「FedWatch(フェドウォッチ)」(12月20日時点)によると、2025年1月のFOMCでFRBが0.25%の利下げを行うとの見方は8.6%。据え置くとの見方は91.4%となっております。FRBによる利下げサイクルが早期に終了するとの思惑が市場で拡がり始める中、目先は上値の重い展開が続きそうです。

再度100日平均線を割り込む様ですと、5月3日の安値2285.2ドルから10月30日の高値2801.8ドルの上げ幅をフィボナッチ・リトレースメントで見た場合の38.2%押し水準2604.5ドルを維持出来ずに、200日平均線辺りまで下げて来ることも想定されます。

とは言え、欧州や韓国などの「政治リスク」やウクライナ・中東を巡る「地政学リスク」に対する懸念に加えて、来年1月に発足するトランプ新政権では、財政悪化やインフレリスクに加え、保護主義的な姿勢が世界情勢を不安定化させるとの懸念は根強く、安値は「安全資産」として買い拾われそうです。また、制裁リスクを回避するために新興国を中心に中央銀行による金買いが活発化しており、旺盛な需要が価格を下支えると見られております。

なお、オンライン貴金属地金商大手、英ブリオンボールトの顧客を対象としたアンケート調査によると、欧米中心の同社の個人投資家は2025年の金、銀相場について、地政学リスクと公的債務の肥大化への懸念から強気の見方を示し、2025年末に金価格は平均3070ドル、銀は同36.90ドルに達すると予測している模様。

同社リサーチディレクター、エイドリアン・アッシュ氏は調査結果を受けて「25年前、中央銀行は金準備を売却し、投資家からは金は見向きもされなかった。ミレニアム以降、金価格を上昇させた主要なトレンドは、少なくとも当面は続くと思われる」と述べております。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は12月20日時点で前週末比13.50トン増の877.40トンと、3週ぶりに増加に転じた。

一方、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比0.71トン減少の392.57トンと、減少に転じております。

 

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