NY金(中心限月、日足)
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先週のNY金(中心限月)は、前週末比33.4ドル高の2069.1ドルで終了となり、続伸。12月13日に1987.9ドルまで下げる場面も見られたものの、FOMC(米連邦公開市場委員会)の結果を受けて、市場で改めてFRBによる早期利下げ観測が強まる中、米長期金利が低下。金利を生まない資産である金の投資妙味が高まり、翌14日に2062.9ドルまで買われる場面も見られております。
FRB高官から、行き過ぎた利下げ観測に対する牽制発言が相次ぐ中、2050ドル付近では上値が重くなっているものの、事実上の利上げ終結宣言をしたと見られているパウエルFRB議長のハト派発言を押し戻すほどではないとの見方から、来年前半の利下げ開始期待が拡がっているため、堅調な値動きが継続。
世界景気の減速懸念に加えて、中東の「地政学リスク」が再度意識され始める中、「安全資産」として買う向きも増えている様だ。来年に米大統領選を控える中、「もしトラ(トランプ氏の返り咲き)」に対する懸念も徐々に高まっている模様。
11月米個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比2.6%上昇と、前月(2.9%上昇)から伸び率が鈍化。2ヶ月連続で3%割れとなった。瞬間風速を示す前月比では0.1%下落と、2020年4月以来のマイナスとなりました。食品とエネルギーを除くコア指数も前年同月比3.2%上昇と、前月(3.4%上昇)から伸びが鈍化(前月比は0.1%上昇)。そのため、インフレ鈍化を背景に、FRBが早期に利下げに踏み切るとの思惑が拡がる中、12月22日に一時2083.0ドルまで買い進められる場面も見られております。
イエメンの親イラン武装組織フーシ派が、米軍艦を標的にすると宣言。イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの攻撃も続く中、中東の「地政学リスク」が再度意識され始めている。さらに緊張が高まる様だと、年末年始で薄商いになる中、急騰する可能性もありそうです。FRB高官の早期利下げ牽制発言が目立つ中、来年1月3日に公表されるFOMC議事要旨(12月12、13日開催分)が注目されます。
最後に、CMEが公表している米金利先物の値動きからFOMCごとの政策金利を予想する「FedWatch(フェドウォッチ)」(12月22日時点)によると、市場は引き続き0.25%幅で年6回の利下げ(3.75-4.00%)を予想しております。
利下げの時期に関して、2024年1月は14.5%、同3月は88.0%、同5月は99.9%となっており、ここに来て3月に1回目の利下げ行うとの見方が多くなって来ている様です。
SPDRゴールド・シェアの金保有残高
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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は12月22日時点で前週末比1.45トン減少の878.25トンと、2週連続で減少。
一方、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比変わらずの398.90トンでした。
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