NY金(中心限月、日足)

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先週のNY金(中心限月)は、前週末比86.7ドル高の2089.7ドルで終了となり、3週連続で上昇。一時2095.7ドルを付けるなど、最高値を更新。ストップ・ロスを巻き込む中、週明けの時間外取引も大幅続伸となり、一時2151.2ドルを付けるなど、最高値を更新。始めて2100ドル台に乗せて来ております。

FRBによる利上げサイクルが終了に向かうとの見方が拡がる中、ベージュブックで、景気判断が下方修正されたほか、複数のFRB高官のハト派発言を受けて、米長期金利が低下。金利を生まない資産である金の投資妙味が高まり、見直し買いが入っている様です。

タカ派で知られるFRBのウォラー理事は11月28日に、政策金利が「経済の減速とインフレを2%(目標)まで戻すのに良い位置にあるとますます確信している」と述べた上で、インフレ鈍化が数ヶ月間続けば、実質金利の一段高を防ぐ観点で「利下げを始めることができる」と発言。同じくタカ派で知られるクリーブランド連銀のメスター総裁も追加利上げは不要との考えを示しました。

その後、市場で来年半ばにFRBが利下げに踏み切るとの見方が拡がる中、市場の過熱感を抑えるため、FRB高官から過度な利下げ期待を牽制する発言も見受けられたものの、12月1日の講演でパウエルFRB議長は、利上げの可能性を選択肢に残しながらも、「引き締めが行き過ぎるリスクと不十分にとどまるリスクは一層均衡している中、慎重に進める」と改めて表明。市場で事前に警戒していたほど「タカ派」な内容では無かったとの見方が拡がり、米長期金利が低下したため、投機資金が流入した様です。

11月ISM米製造業景況指数は前月と変わらずの46.7となり、好不況の分かれ目となる節目の50を13ヶ月連続で下回ったことから、米景気のソフトランディング(軟着陸)期待が後退したことや、パレスチナ自治区ガザで、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が再開されたことを受けて、中東の「地政学リスク」が再び意識され始める中、「安全資産」として買う向きも見られた様です。

2100ドル台に乗せた達成感から、目先は買い方の利喰い売りに押される展開となりそうです。また、週末に11月米雇用統計を控えて、ポジション調整の動きも強まりそうですが、来年の半ばの米利下げが市場のコンセンサスになりつつある中、押し目は買い拾われそうです。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は12月1日時点で前週末比3.46トン減少の878.82トンと、2週連続で減少。

一方、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比0.41トン減少の396.18トンと、18週連続で減少しております。

 

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