NY金(中心限月、日足)

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先週のNY金(中心限月)は、前週末比55.6ドル高の1809.6ドルで終了となり、3週ぶりに反発。1750ドルを挟んだ揉み合いが続いていたものの、12月1日に急伸。200日平均線上抜いて、1800ドル台を回復。8月12日以来、3ヶ月半ぶりの高値で終了しました。

FOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨(11月1、2日開催分)で、「大多数の参加者が、利上げペースの減速がすぐに適切になるだろうと判断した」ことが明らかとなったことに続いて、パウエルFRB議長が11月30日の講演で、「利上げペースの減速時期は早ければ12月の会合になる」と発言。金融政策の効果が経済やインフレに与える影響には時間差があるとし、利上げは続けるものの「ペースを緩やかにするのは理にかなっている」との考えを示しました。

最近のFRB高官発言を受けて、パウエル議長も利上げ継続を強調するとの警戒感が高まっていただけに、ハト派な発言を受けて流れは一転。米長期金利が低下する中、「金利を生まない資産」である金に見直し買いが入った様です。

週末に発表された11月米雇用統計で、失業率は前月比横ばいの3.7%で市場予想と一致。非農業部門の就業者数は前月比26.3万人増と、伸びは市場予想(20万人増)を上回りました。平均時給も前月比0.6%上昇と、市場予想(0.3%上昇)より強い内容だったため、市場でFRBによる金融引き締めペースの減速観測がやや後退。米長期金利が上昇したことを受けて、金利を生まない資産である金を手放す動きが強まり、1791.8ドルまで下げる場面も見られております。

その後、利上げ長期化に伴う景気への悪影響が懸念され始める中、米長期金利が低下し始めたことや、心理的な節目である1800ドルを割り込んだことで値頃感が出る中、安値は買い拾われており、終値ベースでは1800ドルは維持しております。

12月13、14日の両日にFOMCを控える中、当局者のハト派色が濃くなっていることは金相場に追い風となりそうです。相対力指数(RSI)が70%近い水準で推移する中、今週は200日平均線をサポートに1800ドル台を維持出来るかが焦点となりそうです。維持する様だと、3月8日の高値2078.8ドルから11月3日の安値1618.3ドルの下げ幅の半値戻し水準1848.6ドルを意識した動きになることも想定されます。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は12月2日時点で前週末比3.48トン減少の905.49トンで、減少に転じております。

一方、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比0.03トン減少の451.06トンと、小幅ながら14週連続で減少となりました。

 

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