NY金(中心限月、日足)

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先週のNY金(中心限月)は、前週末比14.6ドル安の2024.1ドルで終了。2週連続で下落しております。

50日平均線でレジスタンスを受け始める中、2月8日から14日まで5営業日続落。1月米消費者物価指数(CPI)が前年同月比3.1%上昇と、伸び率は前月(3.4%上昇)から鈍化したものの、市場予想(2.9%上昇)を上回り、根強いインフレ圧力が示されたことを受けてFRBによる早期利下げ観測が後退。米長期金利が一時4.32%まで上昇し、昨年12月上旬以来の水準を回復する中、「金利を生まない資産」である金を手放す動きが強まり、2月14日に1996.4ドルまで下げる場面も見られております。

ただ、100日平均線がサポート・ラインとして意識された様で、終値ベースでは2000ドルを維持。中東やウクライナ情勢を巡る「地政学リスク」が再度高まっていることに加えて、今年半ばまでにはFRBが利下げを開始するとの期待が根強い中、安値は買い拾われた模様。

1月米雇用統計に続いて、1月米消費者物価指数(CPI)も堅調な内容となったことで、市場が予測するFRBの利下げ開始時期が大きく後ずれしております。CMEが公表している米金利先物の値動きからFOMCごとの政策金利を予想する「FedWatch(フェドウォッチ)」(2月16日時点)によると、3月のFOMCでFRBが0.25%の利下げを行うとの見方は8.5%(先週末は16.0%)まで低下。また、5月は34.5%(同60.7%)、6月は75.4%(同92.2%)まで低下した一方、7月は91.5%(先週末は98.5%)となっております。

今週は、2月21日に公表されるFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨(1月30、31日開催分)が注目されそうですが、市場では0.25%幅で年4回の利下げ(4.25-4.50%)を予想しており、年6~7回の利下げを見込んでいた年初から利下げ期待が後退。年3回の利下げを見込むFRBの見通しに近づくなど、最近の米経済指標やFRB高官の発言を受けて、早期の利下げ期待は後退しており、影響は軽微にとどまりそうです。

米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、大口投機家のNY金のネット・ロングは2月13日時点で3万0570枚減少の13万1168枚と、減少に転じました。また、世界最大の金ETFであるSPDRゴールドの金保有残高は2月16日時点で昨年末比41.23トン減少。今月も13.27トン減少しており、引き続き米欧の投資家は金への投資を抑制している模様。

一方で、中国を中心としたアジア圏や中央銀行の需要は旺盛で、価格を下支えていると見られており、春節(旧正月)明けの中国勢の動きが注目されます。「バーゲン・ハント」の動きが強まれば、2050ドル辺りまで反発する可能性もありそうですが、50日平均線が近づくにつれて戻り売り圧力が強まりそうです。引き続き2000-2050ドルのレンジが想定されます。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は2月16日時点で前週末比4.03トン減少の837.89トンと、7週連続で減少。

世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比1.85トン減少の390.11トンと、3週連続で減少しております。

 

 

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