NY金(中心限月、日足)

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先週のNY金(中心限月)は、前週末比24.3ドル安の1850.2ドルで終了となり、3週連続で下落。市場予想以上に強い内容となった1月米雇用統計に次いで、1月米消費者物価指数(CPI)は前年同月比6.4%上昇。7ヶ月連続で鈍化し、1年3ヶ月ぶり低水準となったものの、市場予想(6.2%)を上回りました。また、「瞬間風速」を示す前月比は0.5%上昇と、前月(0.1%上昇)から伸びが加速したため、FRBの利上げ継続観測が再燃。50日平均線を維持出来ずに、2月15日に節目の1850ドルを割り込んでおります。その後も、ドル高が進み、相対的にドル建て商品に割高感が生じたことや、米長期金利が一時3.86%と昨年12月末以来の水準を回復する中で「金利を生まない資産」である金を手放す動きが強まり、2月17日に一時1827.7ドルまで下げる場面も見られております。

昨年11月3日の安値1618.3ドルから今年2月2日の高値1975.2ドルの上げ幅をフィボナッチ・リトレースメントで見た場合の38.2%押し水準1838.9ドル辺りでは買い拾われており、先週末は1850ドルを維持して終了しました。

50日平均線を上回れない状態が続く中、ここに来て一部のFRB高官が0.50%の利上げを主張するなど、米利上げ継続観測が再燃し始めているだけに、今週は22日に公表されるFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨(1月31日、2月1日開催分)が「タカ派」な内容であれば、1800ドル辺りまで下げる可能性もありそうです。

とは言え、21日にロシアのプーチン大統領が年次教書演説、バイデン米大統領は20~22日の日程でポーランドを訪問する予定であり、ウクライナ侵攻後1年の節目を前に「地政学リスク」が高まる可能性があります。また、米連邦政府の債務上限問題も長期化しそうで、金は「安全資産」として意識され易くなっている様です。

実需に目を向けると、世界最大の金ETFであるSPDRゴールドの金保有残高はほぼ横ばいであるものの、2月17日時点で前月末比2.86トン増となっており、引き続き先高観は強い模様。中国やトルコなどアジア諸国を中心に各国中央銀行が積極的に金準備を積み増していることもあり、1800ドル前後では実需を中心に買い拾われることが想定されます。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は2月17日時点で前週末比0.87トン減少の919.92トンと、5週ぶりに減少に転じました

また、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比5.04トン減少の445.45トンと、2週連続で減少しております。

 

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