NY金(中心限月、日足)

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先週のNY金(中心限月)は、前週末比33.1ドル安の1817.1ドルで終了となり、4週連続で下落となりました。

強い米経済指標が相次ぐ中、FRBの利上げ継続観測が再燃。ドル高が進み、相対的にドル建て商品に割高感が生じていることや、米長期金利が一時3.96%と、昨年11月以来の水準まで上昇したことを受けて、「金利を生まない資産」である金を手放す動きが強まった様です。2月24日に1815.5ドルまで下げる場面も見られております。

なお、2月22日にFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨(1月31日、2月1日開催分)が公表され、数人の参加者が前回と同じ0.50%の大幅利上げ継続を支持していたことが明らかとなりました。ただ、既にクリーブランド連銀のメスター総裁とセントルイス連銀のブラード総裁が講演で0.50%の利上げを主張したことを明らかにしていたため、市場への影響は軽微だった模様。

2月24日に発表された1月米個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比5.4%上昇。伸び率は前月(5.3%上昇)を上回り、7ヶ月ぶりに加速しました。前月比でも1.8%上昇と、3ヶ月ぶり上昇に転じ、米経済をけん引する個人消費の底堅さを示唆する内容となっております。先週末にボストン連銀のコリンズ総裁やクリーブランド連銀のメスター総裁らがインフレの高止まりへの警戒感を表明するなど、改めて利上げの長期化が意識され始めている様です。

一方で、ロシアのウクライナ侵攻から1年を経過する中、ウクライナとロシア2国間の問題ではなく、西欧と非西欧諸国の対立へと拡大しつつあり、改めて「地政学リスク」が意識され始めております。米連邦政府の債務上限問題も長期化しそうで、金は「安全資産」として意識され易く、1800ドル前後では実需を中心に買い拾われ易いと見られております。目先は100日・200日平均線をサポートに1800ドルを維持出来るかが注目されそうです。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は2月24日時点で前週末比2.61トン減少の917.32トンと、2週連続で減少となりました。

また、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比0.30トン減少の445.15トンと、3週連続で減少しております。

 

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