NY金(中心限月、日足)
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先週のNY金(中心限月)は、前週末比33.6ドル高の2812.5ドルで終了。5週連続で上昇しております。
米長期金利の高止まりを受けて上値が重い一方、トランプ米政権の関税政策の不透明感を背景に「安全資産」として買い拾われる中、2750ドルを挟んだ揉み合いが続いていたものの、1月30日に急伸し。2800ドル台を回復する中、昨年10月30日の高値2801.8ドルを上抜いて最高値を更新。翌31日も2838.0ドルまで上昇する場面も見られ、連日で最高値を更新しております。
なお、1月28、29日の両日にFOMCが開催されたものの、FRBは市場の想定通り4会合ぶりに政策金利を据え置いております。声明文は、労働市場についての認識を「概して緩みつつある」から「底堅い」に修正。物価動向を巡っては、「(物価上昇率が)2%の目標に向けて進展してきた」との表現を削除したため、タカ派な内容とみた向きが債券売りで反応。米長期金利の上昇を受けて声明発表直後に売られる場面も見られたものの、その後の記者会見でパウエル議長が声明文の一部表現の削除について「文章を短くしただけだ」と述べ、米経済が2%の物価目標に進んでいるとの見方を示したため、安値は買い拾われております。
2800ドルの大台に乗せたことで、目先は買い方の利喰い売りも出て来そうですが、春節(旧正月)に伴う大型連休明けとなる中国を中心とした東アジア圏の買いが相場を下支えしそうです。
また、トランプ米大統領は2月1日に、カナダとメキシコからの輸入品に25%の追加関税を課す大統領令に署名。中国にも10%を掛けるとしております。追加関税は2月4日以降の輸入分から適用され、相手国が報復措置を取った場合、さらなる税率の引き上げや対象品目の拡大に踏み切るとしております
それに対し、カナダとメキシコは米国に報復措置を講じると発表。中国も世界貿易機関(WTO)に提訴することを明らかにするなど、世界経済に与える影響への懸念が改めて強まっており、投資家のリスク回避姿勢が強まる様だと、「安全資産」として買い進められる可能性がありそうです。
最後に、何度か書いている様に、トランプ米大統領が1月27日に、アルミニウムや銅も関税の対象とする方針も示したことから、貴金属も関税の対象になるとの思惑買いが拡がっている様です。COMEXの金価格(中心限月)を金スポット価格で引いた値であるスワップ(EFP)レートが拡大するなど、現物価格と先物価格との乖離が拡大しております。CMEのデータによるとCOMEXの金認証在庫は1月30日時点で963.60トンと、2022年7月26日(964.61トン)以来の水準を回復。昨年末比では282.41トン増加しております。
SPDRゴールド・シェアの金保有残高
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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は1月31日時点で前週末比4.59トン増の864.77トンと、増加に転じております。
世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比0.09トン増の391.93トンと、同じく増加に転じました。
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