NY金(中心限月、日足)
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先週のNY金(中心限月)は、前週末比36.4ドル高の2053.7ドルで終了となり、3週ぶりに上昇に転じました。
1月25日に2004.0ドルまで下げるも、節目の2000ドルを維持。底堅さが意識される中、中東情勢の緊迫化を受けて、「安全資産」として買い拾われて反発。シリアとヨルダンの国境付近で1月28日に、駐留米軍が無人機による攻撃を受けて、米兵3人が死亡。パレスチナ自治区ガザでの戦闘発生以来、周辺地域で米兵に死者が出たのは初めてで、米軍が報復に踏み切れば、地域情勢が一段と緊迫化するとの懸念が強まりました。
先週開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)で、FRBは市場の想定通り政策金利を4会合連続で据え置きました。ただ、声明で「インフレ率が(政策目標である)2%に持続的に向かっているというより強い確信を持つに至るまでは、利下げは適切ではない」と、早期の利下げ観測を牽制する文言を追加。会見でパウエルFRB議長も「3月までに(利下げを)確信する水準に達成する可能性があるとは考えていない」と述べるなど、市場が予想していた以上にタカ派色が強かったため、売られる場面も見られております。
一方、米財務省が国債発行計画を公表し、2〜4月の増額を最後に当面は発行額を据え置く方針を示したことで、米10年債利回りが低下。半月ぶりに4%の大台を割り込んだことから、「金利を生まない資産」である金に見直し買いが入った様です。2月1日に2083.2ドルまで買い進められる場面も見られたものの、翌2日に発表された1月米雇用統計を受けて再度急落。
景気動向を敏感に反映する非農業部門就業者数は前月比35.3万人増と、前月(改定値、33.3万人増)から拡大し、市場予想(18.0万人増)も大幅に上回ったほか、平均時給の伸び率も前年同月比4.5%上昇と、前月(4.3%上昇)から加速。前月比でも0.6%上昇と、伸びは前月(0.4%上昇)から加速したため、FRBが根強いインフレへの警戒感から現行の政策金利5.25~5.50%をより長く据え置くとの観測が拡がった様です。一時2044.2ドルまで下げる場面も見られております。
中東の「地政学リスク」が高まる中、積極的に売りづらい一方で、FRBによる早期利下げ観測が後退する中で上値も重くなって来ているだけに、50日平均線を維持出来ない様だと、短期的に2000ドル割れを試すことも想定されます。
SPDRゴールド・シェアの金保有残高
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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は2月2日時点で前週末比4.32トン減少の851.73トンと、5週連続で減少。
世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比0.56トン減少の394.61トンと、減少に転じております。
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