NY金(中心限月、日足)

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先週のNY金(中心限月)は、前週末比52.8ドル安の1876.6ドルで終了。7週ぶりに反落となりました。

FOMC(米連邦公開市場委員会)を受けて急伸。1950ドルを突破し、2月2日に1975.2ドルまで買い進められる場面も見られております。FRBは市場予想通り0.25%の利上げを決定。声明で「継続的な引き上げが適切」と、前回の文言を維持。

ただ、声明公表後の記者会見で、パウエルFRB議長が「経済が見通し通りなら年内の利下げは適切ではない」としつつも、「初めてディスインフレーション(インフレ沈静化)のプロセスが始まった」と発言したため、議長はインフレに対してハト派的との見方が拡がった様です。利上げ局面が終わりに近づいているとの見方も「金利を生まない資産」である金買いを促した模様。

ただ、欧州中央銀行(ECB)が定例理事会で、0.50%の利上げを決定し、次回3月の会合でも0.50%引き上げる意向を表明。結果は市場予想通りだったものの、ラガルド総裁の記者会見の内容が市場の想定ほどタカ派ではないと受け止められ、ドルがユーロに対して急反発したため、上昇が一服。

年初からの急ピッチな上昇に対する警戒感が強まる中、1月米雇用統計がサプライズな結果となり、急落。終値ベースでは1月12日以来の1900ドル割れとなり、1874.5ドルまで下げる場面も見られております。

今週は、パウエルFRB議長やウォラーFRB理事などFRB高官の講演に注目が集まりそうです。1900ドル台に戻せない様だと、1850ドル辺りまで下げる可能性もありそうですが、切り上がって来ている50日平均線がサポート・ラインとして意識されそうです。

また、米独を中心とした西側諸国がウクライナに戦車供与を決定したことで、ロシアとの緊張の構図が一段と鮮明となり、米中対立も再燃し始めるなど、「地政学リスク」が高まっております。米連邦政府の債務上限問題も長期化しそうな様相で、1800ドル台後半では「安全資産」として引き続き買い拾われることが想定されます。中国やトルコなどアジア諸国を中心に各国中央銀行も積極的に金準備を積み増しており、現物需要が金相場を下支えしそうです。

なお、インド政府は2月1日に発表した2023年度予算案で、銀の輸入関税を引き上げた。密輸入対策として金の輸入関税を引き下げとの見方もあったが、据え置かれている。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は2月3日時点で前週末比1.73トン増加の920.24トンと、3週連続で増加。

また、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比0.73トン増加の453.14トンと、5週連続で増加しております。

 

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