NY金(中心限月、日足)
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先週のNY金(中心限月)は、前週末比89.8ドル高の2185.5ドルで終了。3週連続で上昇しております。
これまでのレンジを上放れ、騰勢が強まる中、2月29日から3月8日まで7営業日続伸中。弱めの米経済指標が相次ぐ中、FRBによる早期利下げ期待が再度拡がり、米長期金利が低下。「金利を生まない資産」である金の投資妙味が弱まり、見直し買いが入る中、3月4日に2100ドルを突破。その後も騰勢は止まらず。パウエルFRB議長が議会証言で、利下げについて「今年のある時点で始めることが適切になる」と述べたことが材料視され、3月6日に昨年12月4日に付けた2152.3ドルを上回り、最高値を更新。2月米雇用統計の結果を受けて、FRBによる早期利下げ観測が改めて強まる中、8日に一時2203.0ドルまで上昇するなど、連日で最高値を更新しております。
パレスチナ自治区ガザで続くイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘の休止に向けた交渉が難航する中、イスラム教徒の信仰心が高まるラマダン(断食月)の期間に入り、衝突拡大を招きかねないとの懸念から、「安全資産」としても買われている模様。
また、米株市場で主要3指数が最高値圏で推移する中、今後の下落に備えてヘッジとして買う向きや、バイデン大統領とトランプ前大統領の一騎打ちが確実視される中、トランプ氏再選に備える動きも見られ始めている様です。
とは言え、3月19、20日の両日にFOMC(米連邦公開市場委員会)を控えている上に、テクニカル的にも相対力指数(RSI)が80.48%まで上昇するなど、先週の動きは急ピッチであったことから、目先は一旦調整場面となることが想定されます。
節目の2150ドルを維持出来ない様ですと、2月14日の安値1996.4ドルから3月8日の高値2203.0ドルの上げ幅をフィボナッチ・リトレースメントで見た場合の38.2%押し水準2124.1ドル辺りまで下げて来る可能性がありそうです。
FRBは3月9日から金融政策関連の対外発信を控える「ブラックアウト期間」に入っており、目先は3月12日に2月米消費者物価指数(CPI)の発表が注目されそうです。
SPDRゴールド・シェアの金保有残高
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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は3月8日時点で前週末比8.64トン減少の815.13トンと、10週連続で減少。
世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比0.11トン減少の388.12トンと、6週連続で減少しております。
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