NY金(中心限月、日足)

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先週のNY金(中心限月)は、前週末比106.3ドル高の1973.5ドルで終了となり、3週連続で上昇。

米中堅銀行シリコンバレー銀行とシグネチャー銀行の経営破綻をきっかけとした信用不安を受けて景気後退懸念が強まる中、投資家のリスクオフ姿勢が強まり、3月9日から13日まで3営業日続伸。13日に2月2日以来の1900ドル台を回復。米金融当局による預金保護措置などでひとまず信用不安が沈静化したのも束の間、スイス金融大手クレディ・スイスの経営不安が拡がる中、17日に一時1993.7ドルまで上昇する場面も見られております。

FRBなど日米欧の6中央銀行は3月19日に、中銀が協調して市場へのドル供給を強化すると発表。また、スイス国立銀行(中央銀行)は同日に、スイス金融大手UBSが経営危機に陥ったクレディ・スイスを買収することで合意したと発表。市場心理は一定の落ち着きを取り戻したものの、米欧の金融不安への警戒感が根強い模様。

また、一連の対応でFRBのバランスシートが急拡大しており、新たなインフレ要因になるとの見方が拡がっていることから、2000ドル超えを試す動きが続きそうです。

今週はFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されます。欧州中銀(ECB)が物価対応を優先させ0.50%の大幅利上げを決定したことを受けて、FRBも0.25%の利上げを決定すると見られております。

ただ、CMEが公表している米金利先物の値動きからFOMCごとの政策金利を予想する「FedWatch(フェドウォッチ)」(3月17日時点)によると、0.25%の利上げを行うとの見方は48.7%、0.50%の利上げは0%、据え置きは51.3%となっており、市場では据え置き予想が急拡大しております。

また、今会合ではFOMCメンバーの最新の金利見通しが公表されますが、ターミナル・レート(利上げの終着点)が昨年12月時点の見通しから引き上げられるかどうか注目されそうです。見通しが据え置きとなり、早期の利上げ停止観測が再度拡がる様だと2000ドル台を回復し、最高値を更新することも想定されます。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は3月17日時点で前週末比19.66トン増加の921.08トンと、5週ぶりに増加に転じております。

また、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」も前週末比0.24トン増加の440.70トンと、6週ぶりに増加に転じております。

 

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