NY金(中心限月、日足)

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先週のNY金(中心限月)は、前週末比46.3ドル高の2095.7ドルで終了。2週連続で上昇しております。

FRB高官からタカ派な発言が相次ぐ中、FRBによる早期利下げ観測が後退。米長期金利が4%台前半で推移する中、「金利を生まない資産」である金の投資妙味が弱まり、上値の重い展開が継続。

一方で、景気の先行き不安や、中東やウクライナ情勢を巡る「地政学リスク」の高まりに加えて、今年半ばまでにはFRBが利下げを開始するとの期待が根強く、安値は買い拾われる中、50日平均線を突破。

今週注目された1月米個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比2.4%上昇、価格変動が激しいエネルギーと食品を除いたコア指数は前年同月比2.8%上昇と、共に市場予想と一致。警戒されていたほどには上振れしなかったため、FRBの利下げ開始後ずれへの過度な警戒感が和らぎ、2月29日には2月7日以来の2050ドル台を回復。

翌3月1日は急伸。米サプライ管理協会(ISM)が発表した2月米製造業景況感指数は47.8と、前月比1.3ポイント悪化。市場予想(49.5)も下回り、好不況の分かれ目となる50を16ヶ月連続で下回りました。また、米ミシガン大学の2月米消費者景況感指数(確報値)も76.9と、前月(確報値、79.0)から低下。市場予想(79.6)を大きく下回ったため、緩やかな景気減速を示す内容だったと見方が拡がり、米長期金利が低下。「金利を生まない資産」である金の投資妙味が強まり、一時2097.1ドルまで上昇するなど、2095.7ドルで終了。終値ベースの最高値を更新しております。

地銀のニューヨーク・コミュニティ・バンコープ(NYCB)が最高経営責任者(CEO)の交代を発表。米証券取引委員会(SEC)への提出資料で社内のローン審査について「内部統制の重大な脆弱性を特定した」と指摘し、経営先行きへの不安が拡がる中、「安全資産」として買う向きも見られた模様。

このまま2100ドル台に乗せて来るか注目されますが、今週は週末に2月米雇用統計の発表が予定されております。また、パウエルFRB議長の議会証言も控えており、目先は買い方の利喰い売りが先行するとの見方もある様です。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は3月1日時点で前週末比4.04トン減少の823.77トンと、9週連続で減少。

世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比0.94トン減少の388.23トンと、5週連続で減少しております。

 

 

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