NY金(中心限月、日足)

↓クリックすると拡大します↓

 

先週のNY金(中心限月)は、前週末比57.4ドル高の2026.4ドルで終了となり、反発。サウジアラビアなど石油輸出国機構(OPEC)加盟国を中心とした追加減産表明を受けてインフレ懸念が再燃する中、4月3日に終値ベースでは昨年3月10日以来の2000ドル台を回復。翌5日には一時2049.2ドルまで上昇する場面も見られております。

その後は上昇一服となっているものの、今週発表された米経済指標が軒並み市場予想を下回り、米国がリセッション(景気後退)入りするとの懸念が拡がる中、「安全資産」として金を選好する動きは続いており、2000ドルの大台を維持しております。中東や東アジアの「地政学リスク」も意識され始めている模様。

3月ISM米製造業景況指数は約3年ぶり低水準に落ち込み、米非製造業景況指数も3ヶ月ぶり低水準と、FRBが利上げを続けるなかでも底堅かったサービス需要に陰りが出始めております。

先週末に労働省が発表した3月米雇用統計(季節調整済み)によると、失業率は3.5%と前月から0.1ポイント低下(市場予想は3.6%)。景気動向を敏感に反映する非農業部門の就業者数は前月比23.6万人増と、前月(改定値、32.6万人増)から減少。2ヶ月連続で減少となり、市場予想(24.0万人増)もやや下回ったものの、堅調な水準を維持しております。

同省が4月3日に発表した2月米雇用動態調査(JOLTS)によると、非農業部門求人件数(季節調整済み、速報値)は993.1万件と、前月(改定値、1056.3万件)比63.2万件減少。2ヶ月連続で減少となったことで、労働市場の過熱が和らいだとの見方が拡がっておりましたが、雇用は堅調さを維持しており、FRBが5月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で追加利上げに踏み切るとの見方が強まったことから、現在取引中の時間外取引は軟調な動きとなっております。

今週は4月12日に3月米消費者物価指数(CPI)が発表されます。インフレの低下が確認出来れば、FRBの早期利上げ停止観測が強まりそうです。ただ、平均時給は前年同月比4.2%上昇と、伸びは前月(4.6%上昇)から鈍化した一方、前月比では0.3%上昇と、前月(0.2%上昇)から伸びはやや加速しており、インフレに対する懸念が再燃する様だと、金融引き締めに対するが警戒感が強まる可能性もあります。なお、同日はFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨(3月21、22日開催分)が公表されます。

とは言え、市場は既に0.25%の利上げは織り込んでいるとの見方は多い様です。また、雇用のペースは鈍化し始めているため、年後半に米国がリセッション(景気後退)に陥るとの見方が増え始めているため、引き続き安値は買い拾われそうです。相対力指数(RSI)が70%を上回ると、買い方の利喰いが出易くなっておりますが、引き続き2000ドルを維持出来るか注目されます。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

↓クリックすると拡大します↓

 

最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は4月7日時点で前週末比2.89トン増加の930.92トンと、4週連続で増加。

また、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」も前週末比2.80トン増加の447.15トンと、同じく4週連続で増加しております。

 

※豊トラスティ証券株式会社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものです。銘柄の選択、売買価格など投資にかかる最終決定は弊社の重要事項説明書を十分にお読み頂き、投資家自身の判断でなさる様にお願い致します。本資料作成につきましては細心の注意を払っておりますが、その正確性については保証するものではなく、万一その内容に誤りがあった場合、その誤りに基づく障害については当社は一切の責任を負いかねます。