NY金

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先週のNY金(中心限月)は、週末比209.2ドル高の3244.6ドルで終了。反発に転じております。

4月3日から7日まで3営業日続落。トランプ米大統領が発表した「相互関税」が市場の想定以上に厳しい内容になったことを受けて、世界の主要市場で株価が急落する中、信用取引のマージンコール(追い証)を確保する必要に迫られた投資家が金市場で換金売りを迫られた様です。大台に乗せた達成感や、相対力指数(RSI)が節目の80%を上回り、買われ過ぎ感が強まる中、買い方の利喰い売りも重なった様で、4月7日は3月13日以来の3000ドル割れで終了。一時2970.4ドルまで下げる場面も見られております。

ただ、「安全資産」として安値は買い拾われる中、4月8日から11日まで4営業日続伸中。4月9日に3000ドル台を回復。連続で大幅高となる中、11日に一時3263.0ドルまで上昇するなど、最高値を更新しております。本来は金と共に「安全資産」として買われ易い米国債を売る動きが拡がっていることも、金市場の投機資金の流入に拍車を掛けている様です。

なお、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド」も週前半は換金売りが出ておりましたが、その後4月9日(11.17トン増)、10日(9.62トン増)と連日で金保有残高が急増。なお、11日も6.44トン増加。2022年9月22日(950.14トン)以来の水準を回復しております。

トランプ米政権の「相互関税」を巡り、米中が報復措置をエスカレートさせる中、「貿易戦争」が激化し、世界景気が後退するとの警戒感は依然強く、恐怖指数とも呼ばれるVIX指数は、依然として警戒ラインと言われる30を上回って推移しております。そのため、しばらくはボラティリティの大きい状況が続きそうなだけに、「安全資産」として金を選好する動きが続きそうです。

相対力指数(RSI)は70%をやや上回って来ているものの、相場の過熱感はまだ無い様に見えるだけに、次の節目である3300ドルを意識した動きが続くことが想定されます。

なお、米金融大手ゴールドマン・サックスは4月11日レポートで、2025年末の金価格見通しを3700ドルと予測。従来見通し(3300ドル)から引き上げております。予想レンジは3650-3950ドル。中央銀行の買いが一段と強まるとの見方に加えて、景気後退リスクからETFに投機資金が流入していることが理由。

景気後退に陥った場合、ETFへの資金流入がさらに加速し、年末までに3880ドルまで上昇する可能性があるとした一方、政策の不確実性が低下して経済成長が予想を上回れば、ETFへの資金流入は同社の金利ベースの予測に沿う形となり、3550ドル近辺になるとしました。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は4月11日時点で前週末比20.35トン増加の953.15トンと、5週連続で増加。

一方、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比3.16トン増加の430.07トンと、2週連続で増加しております。

 

 

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