NY金(中心限月、日足)

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先週のNY金(中心限月)は、前週末比28.7ドル高の2374.1ドルで終了。3週連続で上昇しております。

イスラエルがシリア首都ダマスカスのイラン大使館周辺を空爆したことを受けて、中東情勢を巡る「地政学リスク」が一段と高まる中で「安全資産」として買い進められ、連日で最高値を更新する中、4月3日に史上初めて2300ドル台を突破。その後も勢いは止まらず。4月12日に一時2448.8ドルまで買い進められるなど、2400ドル台にタッチする場面も見られております。

3月米雇用統計が米労働市場の強さを示す内容になったことに続いて、3月米消費者物価指数(CPI)も市場予想を上回る伸びとなったことを受けて、市場でインフレ圧力の根強さを背景にFRBの利下げ開始時期が後ずれするとの見方が一段と強まる中、米長期金利が上昇しており、本来であれば金相場に逆風となるはずですが、「地政学リスク」や米国株の調整地合を受けて「安全資産」として買う動きや、インフレ再燃懸念から「インフレヘッジ」として金を選好する動きが勝っている様です。

イランが在シリア大使館空爆への報復として、イスラエルに対して4月13日に約350の無人機やミサイルによる大規模攻撃を行ったことを受けて売り買いが交錯する中、「噂で買って事実で売る」展開となり、週開けの時間外取引で先週末の高値から急落しております。

MACDの上昇が鈍化する中、今週は高値調整の場面になる可能性もありそうですが、イスラム圏でラマダン(断食月)が明けて、中東情勢を巡る先行き不透明感が燻る中、安値は引き続き「安全資産」として買い拾われそうです。

なお、米金融大手ゴールドマン・サックスは4月12日に、金価格は年末までに2400ドルまで上昇するとの見方を示しております。従来見通しは2300ドルでした。FRBの利下げが、金ETFの逆風を今後緩和する可能性が高いことに加え、米大統領選や財政状況を巡るリスクもあるため、強気の相場が続くとしております。

ゴールドマンは、「中国を筆頭とするアジアの需要は、経済や通貨安を巡る懸念、中国では特に不動産業界を巡る不安感に牽引されている」と分析。「米国では、財政の持続可能性に対する懸念と大統領選を巡るリスクの高まりが構造的な不安感を生じさせているとみられ、金買いにプラスの影響を及ぼしている」と説明しております。

また、既報通り、米金融大手バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)は4月8日レポートで、金価格は今年10-12月期までに平均で2500ドルに上昇すると予測。2025年までに3000ドルに達する可能性があるとしております。スイス金融大手UBSも、目先の金価格は上昇が一服する可能性があるものの、今後数四半期でさらに上昇すると予測。2024年末までに2500ドルまで上昇するとの見方を示しております。

最後に、ジンバブエ中央銀行は、実物としての価値を持つ金と外貨準備に裏付けされた新たな法定通貨ジンバブエゴールド(ZiG)を発行しております。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は4月12日時点で前週末比0.31トン増加の826.72トンと、3週ぶりに増加に転じております。

一方、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比0.30トン増加の383.40トンと、増加に転じております。

 

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