NY金
↓クリックすると拡大します↓
©Copyright Jiji Press Ltd. All rights reserved
・WGCの需給レポートはこちら
・金の地上在庫はこちら
・公的機関の金準備はこちら
・中国の金準備はこちら
・中国の金輸入量はこちら
・スイスの金輸出量はこちら
先週のNY金(中心限月)は、前週末比83.8ドル高の3328.4ドルで終了。2週連続で上昇しております。
4月11日に終値で初めて3200ドル台に乗せたのも束の間、4月16日に史上初めて3300ドルを突破。翌17日に3371.9ドルまで上昇する場面も見られております。トランプ米政権の「相互関税」を巡り、米中が報復措置をエスカレートさせて「貿易戦争」が激化し、世界景気が後退するとの警戒感が強い中、米ブルームバーグ通信が中国政府が国内航空各社に米ボーイングの航空機を受け取らない様に命じたと報じたことから、「安全資産」として買い進められた様です。
米金融大手ゴールドマン・サックスやスイス金融大手UBSなど、大手金融機関が相次いで金価格見通しを引き上げたことや、産金業界団体ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)がレポートで、中国で金ETFへの投機資金流入が加速しているとしたことも好感された模様。また、本来は金と共に「安全資産」として買われ易い米国債を売る動きが拡がっていることも、引き続き金市場の投機資金の流入に拍車を掛けている様です。なお、米BofAグローバル・リサーチが実施しているファンドマネージャー調査によると、「マグニフィセント・セブン買い」を上回り、最も人気な投資対象は「金の買い」となった模様。
17日はグッドフライデー(聖金曜日)に伴い週末が連休となることから、買い方の利喰い売りに押され、一時3300ドルを割り込む場面も見られたものの、終値では3300ドルを維持。週明けの時間外取引は大幅反発となり、3400ドルに迫っております。
CMEのデータによると、COMEXの金認証在庫は4月17日時点で1343.97トン。9営業日連続で減少するなど、ここに来て減少が続いているのは気になる動きではありますが、相対力指数(RSI)は4月17日時点で73%と、引き続き相場の過熱感を感じる水準にはなっていない様に見えます。
今週は4月22日に国際通貨基金(IMF)から最近の世界経済見通しが公表されます。また、20ヶ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議も開催される予定で、改めて世界景気の先行き不安が強まる様だと、このまま次の節目である3400ドルを突破する可能性がありそうです。
なお、米金融大手ゴールドマン・サックスは4月11日レポートで、2025年末の金価格見通しを3700ドルと予測。従来見通し(3300ドル)から引き上げております。予想レンジは3650-3950ドル。中央銀行の買いが一段と強まるとの見方に加えて、景気後退リスクからETFに投機資金が流入していることが理由。
景気後退に陥った場合、ETFへの資金流入がさらに加速し、年末までに3880ドルまで上昇する可能性があるとした一方、政策の不確実性が低下して経済成長が予想を上回れば、ETFへの資金流入は同社の金利ベースの予測に沿う形となり、3550ドル近辺になるとしました。
スイス金融大手UBSも4月11日レポートで、地政学的リスクやインフレ再燃への警戒などを背景に2025年末までに金価格が3500ドルに達すると予測。オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)は4月15日レポートで、2025年末時点の金価格見通しを3600ドルと予測しております。
また、独金融大手コメルツ銀行はリポートで「金相場の上昇は継続的なドル安―安全資産としてのドルの地位の緩やかな低下を示す―と連動している面があり、金はドルの代替投資先である公算が大きい」と指摘。「短期的な金融政策の見通しが金相場への一段の支援になっている」との見方を示しております。
SPDRゴールド・シェアの金保有残高
↓クリックすると拡大します↓
最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は4月18日時点で前週末比0.86トン減少の952.29トンと、6週ぶりに減少に転じました。
一方、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比3.26トン増加の433.33トンと、3週連続で増加しております。
※豊トラスティ証券株式会社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものです。銘柄の選択、売買価格など投資にかかる最終決定は弊社の重要事項説明書を十分にお読み頂き、投資家自身の判断でなさる様にお願い致します。本資料作成につきましては細心の注意を払っておりますが、その正確性については保証するものではなく、万一その内容に誤りがあった場合、その誤りに基づく障害については当社は一切の責任を負いかねます。