NY金(中心限月、日足)
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先週のNY金(中心限月)は、前週末比39.7ドル高の2413.8ドルで終了。4週連続で上昇しております。
中東情勢を巡る「地政学リスク」が一段と高まる中で「安全資産」として買い進められる中、イランが在シリア大使館空爆への報復として、4月13日にイスラエルに対して無人機やミサイルによる大規模攻撃に踏み切ったこと受けて、両国の応酬が激化し、中東情勢が不安定化するとの警戒感から、投資家のリスクオフ姿勢が強まり、4月16日に終値では史上初めて2400ドルを突破。その後は、イスラエルの被害が軽微に留まったほか、イランは作戦を終えたとして事態の幕引きを図る考えを表明したことから、イスラエルの反撃は限定的との見方が拡がり、中東の「地政学リスク」への警戒感がやや後退。
また、パウエルFRB議長が4月16日の講演で、最近の経済指標ではインフレが持続的に2%の目標に向かって低下しているとの確信が十分持てないとし、政策金利を当面の間、現行の水準で維持する方針を示唆するなど、FRB高官から「タカ派」な発言が相次ぐ中、米インフレ圧力の根強さを背景にFRBの利下げ開始時期が後ずれするとの見方が一段と強まり、買い方の利喰い売りが先行する場面も見られております。
ただ、中東の複数のメディアが、イラン領内の複数個所で爆発があったと報じたことから流れが一転。4月19日に一時2433.3ドルまで急伸するなど、3営業日ぶりに2400ドル台を回復しております。
イスラエルは攻撃の有無を公式に認めていないものの、米メディアはイスラエルがイラン領土内に向けた攻撃に踏み切ったと報じております。ただ、イスラエルによるイランへの攻撃は抑制的で被害も限定的だったと見られております。また、イランの最高指導者ハメネイ師は4月21日に軍幹部との会合で、イスラエルへの攻撃について「国家と軍の意思を国際舞台に示した」などと称賛したものの、イスラエルによるとみられるイランへの攻撃に対する報復に言及しなかったことから、過度に高まっていた中東情勢緊迫化への懸念がやや後退。テクニカル的にMACDの上昇が鈍化する中、相対力指数(RSI)は80%前後で推移し、高値警戒感が高まっていたこともあり、週明けの時間外取引で急落となっております。
とは言え、イスラエルのネタニヤフ首相は4月21日にビデオ演説をX(旧ツイッター)に投稿し、パレスチナ自治区ガザで戦闘を続けるイスラム組織ハマスから人質を奪還するため、近く「軍事的、政治的圧力を強化する」とした上で、ハマスに「痛烈な追撃を加える」とも強調。引き続き中東情勢を巡る「地政学リスク」は意識され易く、安値は「安全資産」として買い拾われそうです。
SPDRゴールド・シェアの金保有残高
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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は4月19日時点で前週末比5.19トン増加の831.91トンと、2週連続で増加しております。
一方、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比0.42トン減少の382.98トンと、減少に転じております。
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