NY金(中心限月、日足)

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先週のNY金(中心限月)は、前週末比66.6ドル安の2347.2ドルで終了。5週ぶりに減少に転じております。

イスラエルがイランが4月13日に行ったドローンや巡航・弾道ミサイルによる対イスラエル大規模攻撃の報復として4月19日に、イランに攻撃を行ったと米欧メディアが一斉に報じたことから急伸。両国の対立激化への懸念から、「安全資産」として買い進められ、2433.3ドルを付ける場面も見られております。ただ、今回の攻撃は抑制的で被害も限定的だったことに加えて、イラン政府高官からイスラエルへの再報復について言及が無かったことから、過度に高まっていた中東情勢緊迫化への懸念がやや後退。翌22日に急落。米インフレ圧力の根強さを背景にFRBの利下げ開始時期が後ずれするとの見方が一段と強まっていることも上値を重くしている様で、23日に2304.6ドルまで下げる場面も見られております。

ただ、節目の2300ドルは維持。イスラエルは着々とガザ自治区最南部ラファへの侵攻準備を進めている上に、イランとの関係悪化に伴い周辺国へ紛争が拡大する懸念も燻る中、引き続き中東情勢を巡る「地政学リスク」が意識されて、安値は買い拾われております。

ただ、ここに来てイスラエルがパレスチナ自治区ガザでの戦闘休止などを巡る間接交渉で、人質解放後に恒久停戦を議論する用意があると、一部メディアが報じており、イスラム組織ハマスがイスラエルが提案した停戦案を受け入れる様だと、短期的に2300ドルを割り込むことも想定されます。

テクニカル的にも、MACDはデッド・クロスを維持しており、反発場面では戻り売りが出易い様に見えます。2300ドルを割り込む様だと、2月14日の安値1996.4ドルから4月12日の高値2448.8ドルの上げ幅をフィボナッチ・リトレースメントで見た場合の38.2%押し水準2276.0ドル辺りまで下げることも想定されますが、中央銀行や中国の需要は強いと見られており、引き続き安値は「安全資産」や「インフレヘッジ」として買い拾われそうです。

今週は、4月30日、5月1日の両日にFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されます。市場では政策金利が据え置かれるとの見方が大勢を占めております。また、パウエルFRB議長の声明公表後の記者会見はタカ派な内容になるとの見方が多い様です。ただ、CMEが公表している米金利先物の値動きからFOMCごとの政策金利を予想する「FedWatch(フェドウォッチ)」(4月26日時点)によると、市場が想定する12月時点のFF金利は5.00%-5.25%が最多で、FRBが今年利下げを行う回数は年1回まで減少しており、影響は限定的との見方が多い模様。むしろ市場の注目は週末に発表される4月米雇用統計に向いている様にも見えます。

また、今会合では量的引き締め(QT)の減速について、どこまで言及するかも注目されております。具体的な内容や開始時期が示される様だと、金にとっては買い材料になる可能性がありそうです。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は4月26日時点で前週末比0.28トン増加の832.19トンと、3週連続で増加しております。

一方、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比0.41トン減少の382.57トンと、2週連続で減少しております。

 

 

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