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先週のNY金(中心限月)は、前週末比51.1ドル安の3035.4ドルで終了。5週ぶりに反落となっております。

3月27日から4月2日まで5営業日続伸。トランプ米政権による「相互関税」の発表を控えていることに加えて、米国で「スタグフレーション」への懸念が拡がる中、投資家のリスクオフ姿勢が強まり、「安全資産」として金が選好される動きが継続。大手金融機関が金価格見通しを相次いで引き上げていることも好感された様で、4月2日に3201.6ドルまで上昇し、史上初めて3200ドル台に乗せる場面も見られております。

ただ、トランプ米大統領が発表した「相互関税」が市場の想定以上に厳しい内容になったことを受けて、金融市場に動揺が拡がる中、3日は急落。

世界景気の後退への警戒感が拡がる中、世界の主要市場で株価が急落。信用取引のマージンコール(追い証)を確保する必要に迫られた投資家が金市場で換金売りを迫られる中、4日も大幅続落。3100ドルを維持出来ずに、2月28日の安値2844.1ドルから4月2日の高値3201.6ドルの上げ幅をフィボナッチ・リトレースメントで見た場合の38.2%押し水準3065.0ドルも下回り、3032.7ドルまで下げる場面も見られております。

大台に乗せた達成感や、相対力指数(RSI)が節目の80%を上回り、買われ過ぎ感が強まる中、買い方の利喰い売りも重なった模様。金地金が「相互関税」の対象から除外されたことも意識された様です。

週明けの時間外取引で、一時2985.0ドルまで下げる場面も見られたものの、3000ドル付近では買い拾う向きが多かった様で、大きく値を戻しております。

トランプ米政権の「相互関税」を巡り、中国が報復措置を発表するなど、米国と各国の間で互いに関税を掛け合う「貿易戦争」が激化し、世界景気が後退するとの警戒感が拡がる中、金融市場が落ち着きを取り戻すまで、しばらくは乱高下が続きそうです。テクニカル的にもMACDの上昇が鈍化し始める中、目先は半値押し水準3022.9ドル辺りで値を固められるか注目されます。

世界景気の減速や貿易戦争への懸念に加えて、米国では「スタグフレーション」への警戒感が強まっております。ウクライナや中東巡る「地政学リスク」も再度高まる中、「安全資産」として安値は引き続き買い拾われそうです。また、米景気の減速が鮮明になれば、FRBの早期利下げ観測が強まり、金相場を下支えるとの見方も出ております。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は4月4日時点で前週末比0.85トン増加の932.80トンと、4週連続で増加。

一方、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比2.85トン増加の426.91トンと、増加に転じております。

 

 

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