NY金

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先週のNY金(中心限月)は、前週末比100.7ドル高の3344.0ドルで終了。3週ぶりに反発に転じております。

ボラティリティの高い動きが続く中、5月1日に急落。一時3209.4ドルまで下げる場面もみられるなど、3300ドルを割り込みました。ただ、安値は買い拾われる中、5月2日から6日まで3営業日続伸。労働節に伴う大型連休明けとなった、中国勢の買いが価格を押し上げる中、6日に4月22日以来10営業日ぶりに3400ドル台を回復。ウクライナや中東情勢に加えて、核保有国であるインドとパキスタンの攻撃の応酬が激化するなど、「地政学リスク」が意識される中、「安全資産」として金が選好された様で、翌7日に一時3448.2ドルまで上昇。

ただ、FOMC(米連邦公開市場委員会)を無事通過したことや、米中貿易摩擦緩和期待が拡がる中で、ドルが主要通貨に対して強含み、相対的にドル建て商品に割高感が生じる中で反落。9日に3278.9ドルまで下げる場面も見られたものの、引き続き安値は買い拾われております。

週明けの時間外取引は大幅安でスタート。スイスのジュネーブで行われた米中高官協議について、ベッセント米財務長官は「実質的な進展があった」と表明。中国側も何立峰副首相が記者会見で「相違をなくし、協力を深化させる基礎を築くための一歩を踏み出した」と発言。市場で、関税を巡る米中対立が緩和されるとの期待が出始める中、一時3251.5ドルまで下げる場面も見られております。インドとパキスタンが即時停戦で合意したことや、ロシアとウクライナも停戦に向けた協議が始まる気配があることから、「地政学リスク」がやや後退していることも売りを誘った様です。

先週のFOMC後の記者会見で、パウエルFRB議長は関税などを巡って米経済の不確実性が高まったことを強調した一方、米経済が底堅さを維持していることを背景に「(政策変更を)急ぐ必要はない」と繰り返し発言。4月米雇用統計で労働市場の底堅さが示唆されたことを受けて、FRBによる早期利下げ期待が後退しております。また、世界的に見れば金ETFの金保有残高は減少傾向にあり、4月22日に付けた3509.9ドルを上抜くには、新規材料待ちとなりそうです。

一方で、トランプ米政権の高関税政策を巡る不透明感は根強く、引き続き安値は「安全資産」として買い拾われることが想定されます。テクニカル的にMACDがデッド・クロスを維持する中、目先は4月7日を起点としたアップ・トレンドを維持出来るかが注目されます。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は5月9日時点で前週末比6.32トン減少の937.94トンと、4週連続で減少しております。

一方、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比1.94トン増加の439.49トンと、6週連続で増加しております。

 

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