NY金(中心限月、日足)

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先週のNY金(中心限月)は、前週末比66.4ドル高の2375.0ドルで終了。3週ぶりに上昇に転じております。

5月3日に2285.2ドルまで下げる場面も見られたものの、終値では引き続き2300ドルを維持。底堅い展開が続いております。FOMC(米連邦公開市場委員会)後の記者会見で、パウエル議長が利上げ再開の可能性に否定的な見方を示した上で、時間が掛かるにしても、次の政策行動は利下げだという考えを強調。また、6月から量的引き締め(QT)のペースを緩めることを正式に決定したことで、「ハト派」な内容だったとの見方が拡がる中、4月米雇用統計も米労働市場の減速を示唆する内容となったことから、FRBによる早期利下げ観測が再度強まり、価格を押し上げている様です。

CMEが公表している米金利先物の値動きからFOMCごとの政策金利を予想する「FedWatch(フェドウォッチ)」(5月10日時点)によると、引き続き市場が想定するFRBの利下げ回数は年2回見通しとなっております。

また、「安全資産」としての需要が根強い様です。パレスチナ自治区ガザで戦闘を続けるイスラエルとイスラム組織ハマスの休戦交渉は合意出来ずに終了。イスラエルは米欧の再三の説得に応じずに、ガザ地区最南部ラファへの本格的な地上侵攻を始めると見られており、5月10日に2385.3ドルを付ける場面も見られております。

また。ウクライナを巡っては、ロシアのプーチン大統領が「核の戦略部隊は常に戦闘準備態勢にある」と述べるなど、対ロ制裁を強める欧米諸国を威嚇する姿勢を示しており、「地政学リスク」に対する懸念が再度強まっております。

テクニカル的に、MACDがこのままゴールデン・クロスとなる様だと、底打ち感が強まりそうです。とは言え、2400ドルを再度突破して行くには材料不足の様にも見えます。

また、パウエルFRB議長がハト派な姿勢を示した一方で、根強いインフレへの警戒感からタカ派な姿勢を示すFRB高官は依然多く、目先は5月15日に発表される4月米消費者物価指数(CPI)に注目が集まりそうです。インフレの加速が示される内容となれば、FRBよる早期利下げ期待は再度後退し、2300ドル割れを試すことも想定されます。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は5月10日時点で前週末比1.46トン増加の831.93トンと、増加に転じております。

一方、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比1.89トン減少の381.02トンと、減少に転じております。

 

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