NY金(中心限月、日足)
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先週のNY金(中心限月)は、前週末比38.2ドル安の1981.6ドルで終了となり、続落。引き続き2000ドル台前半で底堅い値動きが続いていたものの、5月16日に急落。米連邦政府の債務上限問題を巡り、米国債のデフォルト(債務不履行)を回避するために与野党が妥協するとの期待が高まる中、「安全資産」としての金の魅力が薄れて、その後18日まで3営業日続落。根強いインフレに対して、FRB高官から利上げ継続を示唆する発言が相次ぐ中、ドル指数は3月17日以来約2ヶ月ぶり高値を付けており、相対的にドル建て商品に割高感が生じていることも嫌気された様で、50日平均線を維持出来ずに18日に一時1954.4ドルまで下げる場面も見られております。ただ、米債務上限問題を巡る与野党が一転して難航していることが伝わり、19日は反発。節目の1950ドルは維持しております。パウエル議長がハト派なコメントを出したことも好感された模様。
今週も引き続き、米連邦政府の債務上限問題を巡る与野党協議の進展を見ながらの動きとなりそうです。上限引き上げの期限とされる6月1日が近づく中、協議に進展が見られずに米国債のデフォルト(債務不履行)懸念が強まる様ですと、「安全資産」として金を選好する動きが再度強まることが想定されます。
また、今週は5月24日にFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨(5月2、3日開催分)が公表されます。5月のFOMCでは、声明文から追加利上げを示唆する文言が削除され、経済データ次第で利上げが打ち止めになる可能性が示唆されました。ただ、前述の様に複数のFRB高官はタカ派な姿勢を崩しておらず、利上げペースについて、どの様な話し合いがされていたか注目されそうです。
テクニカル的には、50日平均線を上回れるか注目されます。MACDは下げ基調を強めているだけに、このままレジスタンスが強まる様ですと、節目の1950ドルや2月28日の安値1810.8ドルから5月4日の高値2085.4ドルの上げ幅をフィボナッチ・リトレースメントで見た場合の半値押し水準1948.1ドル割れを試すことも想定されます。
ただ、1900ドル台前半では引き続き「安全資産」として買い拾われそうです。なお、米CNNが関係筋の話として、イエレン米財務長官が5月18日に開かれた銀行トップとの会合で、一連の銀行破綻を受け一段の銀行合併が必要になる可能性があると述べたと報じたことで、米銀行破綻への警戒感が再び意識されはじめております。中国やインドなど新興国を中心に中銀の金購入が続いていることも価格を下支えすると見られております。
SPDRゴールド・シェアの金保有残高
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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は5月19日時点で前週末比5.20トン増加の942.74トンと、4週連続で増加。
世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比0.53トン増加の455.29トンと、2週連続で増加しております。
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