NY金(中心限月、日足)
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先週のNY金(中心限月)は、前週末比82.9ドル安の2334.5ドルで終了。3週ぶりに下落に転じております。
FOMC(米連邦公開市場委員会)をきっかけに、流れが一転。4月米雇用統計が米労働市場の減速を示唆する内容となったのに続き、4月米消費者物価指数(CPI)は3ヶ月ぶりに鈍化し、インフレの鈍化を示す内容になるなど米経済指標の下振れが目立ち始める中、FRBが年後半に利下げに動くとの見方が再度拡大。ジワジワと下値を切り上げる中、5月17日に4月19日以来の2400ドル台を回復。中国政府による不動産市場へのテコ入れ策を受けて、景気回復に伴う需要増加観測も拡がった様です。
5月20日も大幅続伸。イランのライシ大統領を乗せたヘリが墜落し、搭乗者全員が死亡。現職の大統領が事故死する異例の事態となり、中東の「地政学リスク」が意識される中で「安全資産」として買われ、4月12日の高値2448.8ドルを上抜いて、2454.2ドルまで買い進められるなど最高値を更新しております。
ただ、その後は3営業日続落。パウエルFRB議長がハト派な姿勢を示す一方で、根強いインフレへの警戒感からタカ派な姿勢を示すFRB高官が依然多い中、FOMC議事要旨(4月30日、5月1日開催分)が公表され、参加者が利下げ開始までの期間が「以前の想定より長くなる」と見ていることが明らかとなったことや、5月米総合PMI速報値が2年1ヶ月ぶり高水準となったことを受けて、FRBによる早期利下げ観測がやや後退。5月24日に2326.3ドルまで下げる場面も見られている。
目先は、50日平均線を維持出来るかが焦点となりそうです。割り込む様ですと、節目の2300ドルを維持出来ずに、Wトップのネック・ラインと見られている5月3日の安値2285.2ドル辺りまで下げることも想定されます。
ただ、ウクライナ情勢が激しさを増していることに加えて、イスラエルとイスラム組織ハマスの休戦交渉が行き詰まり、パレスチナ自治ガザ最南部ラファでの地上戦が激化するとの見方が拡がるなど、「地政学リスク」に対する懸念は根強い。また、中央銀行や中国を中心とした現物需要は引き続き旺盛であることから、安値は買い拾われそうです。
今週は5月30日発表の2024年1-3月期米GDP(国内総生産)改定値や31日発表の4月米個人消費支出(PCE)物価指数の発表に注目が集まりそうです。
なお、CMEが公表している米金利先物の値動きからFOMCごとの政策金利を予想する「FedWatch(フェドウォッチ)」(5月24日時点)によると、6月のFOMCでFRBが0.25%の利下げを行うとの見方は0.0%、7月は10.2%、9月は49.4%、11月は61.6%となっており、市場が想定するFRBの利下げ開始時期は11月がコンセンサスとなりつつある様です。
また、市場が想定する12月時点のFF金利は5.00%-5.25%が最多。FRBは利下げを年1回で留めるとの見方が再び拡がりつつあります。
SPDRゴールド・シェアの金保有残高
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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は5月24日時点で前週末比6.33トン減少の832.21トンと、3週ぶりに減少に転じております。
一方、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比0.53トン減少の381.46トンと、減少に転じております。
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