NY金(中心限月、日足)

↓クリックすると拡大します↓

 

先週のNY金(中心限月)は、前週末比7.6ドル高の1977.2ドルで終了。2週連続で上昇となりました。5月米雇用統計を受けて急落。非農業部門就業者数は前月比33.9万人増となり、伸びは前月(改定値、29.4万人増)から拡大。市場予想(19.0万人増)も大きく上回ったため、米長期金利が上昇。「金利を生まない資産」である金を手放す動きが強まり、6月5日に1953.8ドルまで下げる場面も見られたものの、引き続き100日平均線がサポート・ラインとして意識された様で、節目の1950ドルは維持しております。

今週はFOMC(米連邦公開市場委員会)、ECB(欧州中銀)定例理事会、日銀金融政策決定会合が開催される「中銀ウィーク」となります。

特に注目されるFOMC(米連邦公開市場委員会)は6月13、14日の両日に開催されます。6月13日に発表される5月米消費者物価指数(CPI)の結果次第では、相場が乱高下する可能性もありそうですが、CMEが公表している米金利先物の値動きからFOMCごとの政策金利を予想する「FedWatch(フェドウォッチ)」(6月9日時点)によると、6月のFOMCでFRBが0.25%の利上げを行うとの見方は29.9%、据え置きは70.1%と、市場では利上げを見送るとの見方が多くなっております。

ただ、FRBは今後の金融政策の方針を経済データ次第という姿勢を崩しておらず、仮に6月の利上げが見送られても、インフレ抑制のために7月に利上げを再開するとの見方は依然根強い様です。7月のFOMCでFRBが0.25%の利上げを行うとの見方は52.8%、据え置きは30.1%。また、0.50%の利上げを行うとの見方も17.1%あります。

そのため、声明と同時に公表されるFOMCメンバーの金利見通しである「ドッド・チャート」や、声明公表後のパウエル議長の会見で、今後の米金融政策の不確実性が弱まるかが焦点となりそうです。

利上げ打ち止め感が強まれば、終値ベースでは5月15日以来の2000ドル台を回復することも想定されます。一方で、7月の利上げを示唆するなどタカ派な内容となる様だと、1900ドル割れを試しそうですが、実需の買いが価格を下支えしそうです。

なお、先週もお伝えした様に、インドやトルコなど主要需要国の金輸入量が大幅に減少しております。また、ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)によると、4月にトルコは80.8トン、ウズベキスタンは1.6トン、カザフスタンは13.0トン、それぞれ金準備を売却しております。

一方で、中国は4月に8.1トン、5月に15.9トン買い増し。ポーランドやチェコと言った先進国の購入も報告されており、大きな売り材料とはなっていないものの、2000ドル台を維持するには実需の高値慣れを待つ必要があるとの見方も出始めている様です。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

↓クリックすると拡大します↓

 

最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は6月9日時点で前週末比6.36トン減少の931.76トンと、3週連続で減少しております。

また、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比0.47トン減少の453.98トンと、2週連続で減少となりました。

 

※豊トラスティ証券株式会社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものです。銘柄の選択、売買価格など投資にかかる最終決定は弊社の重要事項説明書を十分にお読み頂き、投資家自身の判断でなさる様にお願い致します。本資料作成につきましては細心の注意を払っておりますが、その正確性については保証するものではなく、万一その内容に誤りがあった場合、その誤りに基づく障害については当社は一切の責任を負いかねます。