NY金(中心限月、日足)

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先週のNY金(中心限月)は、前週末比34.9ドル安の1840.6ドルで終了。6月13日に1882.5ドルまで買い進められる場面もみられたものの、5月米消費者物価指数(CPI)が前年同月比8.6%上昇となり、前月比でも1.0%上昇するなど前月から伸びが加速。インフレが「ピークアウト」したとの見方を打ち消す結果となり、FRBが積極的に金融引き締めに動くとの懸念が再燃する中、米長期金利の上昇を受けて急落。6月14日には1806.1ドルまで下げる場面も見られております。

FRBはFOMC(米連邦公開市場委員会)で、約27年半ぶりに0.75%利上げを決定。ただ、FRBが高インフレの抑制に向けて異例の大幅利上げに踏み切るとのシナリオを市場は織り込んでいたため、「噂で買って事実で売る」展開となりました。

声明公表後の記者会見でパウエル議長は、7月の次回会合において「0.50%か0.75%利上げの可能性が高い」と明言。インフレ抑制への意欲を示した一方で、0.75%幅の利上げ定着への懸念を否定したことや、FOMCメンバーの金利見通し(ドットチャート)も市場が懸念するほどタカ派に傾かなかったことで、過度の警戒感が後退。6月17日に1861.5ドルまで買い進められる場面も見られております。

ただ、英イングランド銀行(中央銀行)やスイス国立銀行も利上げに踏み切るなど、主要中央銀行の利上げペースの加速が鮮明となる中、一段高とはならず。

「中銀ウィーク」が終わり、市場では再びFRB高官の発言に注目が集まりそうです。今週は22日と24日にパウエルFRB議長の議会証言が予定されております。

なお、FRBのウォラー理事は6月18日に、7月の次回FOMC(米連邦公開市場委員会)で0.75%の利上げを支持すると表明しております。

テクニカル的に、切り下がって来ている50日平均線がレジスタンスとして意識されそうな中、再び上回った200日平均線を維持出来るかが焦点となりそうです。

とは言え、各国中銀が積極的に金利を引き上げる中、市場では世界景気の減速懸念が強まっております。原油価格が高止まりする中、インフレ懸念も根強い。景気後退と物価上昇が同時進行する「スタグフレーション」を警戒する動きが強まる中、「安全資産」や「インフレヘッジ」として、押した場面では引き続き買い拾われることが想定されます。

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は6月17日時点で前週末比6.67トン増加の1075.54トン。2週連続で増加となりました。

一方で、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比1.24トン減少の513.80トンで、3週連続で減少となりました。

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