NY金(中心限月、日足)

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先週のNY金(中心限月)は、前週末比41.6ドル安の1929.6ドルで終了。2週連続で下落となりました。FOMC(米連邦公開市場委員会)を通過し、狭いレンジの動きに留まっていたものの、6月20日に節目の1950ドルを割り込みました。その後、パウエルFRB議長が議会証言で改めて年2回の追加利上げが適切と発言。市場は「あと1回」で利上げ打ち止めとの見方を崩していないものの、英イングランド銀行が市場予想を上回る0.50%の利上げを決定。スイスとノルウェーの中銀も政策金利を引き上げるなど、米欧の主要中銀がインフレ抑制に向けてタカ派な姿勢を堅持したため、「金利を生まない資産」である金を手放す動きが強まり、23日に一時1919.5ドルまで下げる場面も見られております。ファンドのリバランスの動きも出始めている様で、世界最大の金ETFであるSPDRゴールドの金保有残高は減少が続いております。

なお、CMEが公表している米金利先物の値動きからFOMCごとの政策金利を予想する「FedWatch(フェドウォッチ)」(6月23日時点)によると、7月のFOMCでFRBが政策金利を据え置くとの見方は28.1%、0.25%の利上げを行うとの見方は71.9%となっており、利上げを再開するとの見方が多くなっております。

一方、12月のFOMC時点の政策金利を5.00-5.25%(6月のFOMCから金利据え置き)との見方は33.3%、5.25-5.50%(1回の利上げ)の見方は46.7%、5.50-5.75%(2回の利上げ)との見方は12.4%となっており、市場は依然として「あと1回」の利上げを予想する向きが多い様です。最近のFRB高官の発言から、FOMC内でも意見が割れている様子が窺えますが、今週も引き続きFRB高官の発言に左右される展開が続きそうです。また、ポルトガルでECB年次フォーラムが開催されるため、各国高官の発言にも注目が集まります。

テクニカル的には100日平均線を割り込む中、MACDもデッド・クロスとなっただけに、2月28日を起点としたアップ・トレンドを維持出来ずに、2月28日の安値1810.8ドルから5月4日の高値2085.4ドルの上げ幅をフィボナッチ・リトレースメントで見た場合の61.8%押し水準1915.7ドルも割り込む様ですと、1900ドル割れを試す可能性がありそうです。ただ、1900ドル辺りでは、中央銀行を中心に実需の買いが買い支えるとの見方が多い模様。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は6月23日時点で前週末比6.93トン減少の927.10トンと、減少に転じております。

また、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比2.06トン減少の450.80トンと、4週連続で減少しております。

 

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