NY金(中心限月、日足)

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先週のNY金(中心限月)は、前週末比1.1ドル安の1850.2ドルで終了。FRBのウォラー理事が、インフレが抑制されるまで通常の倍の0.50%の利上げを継続することに前向きな姿勢を示したことを受けて、FRBによる積極的な金融引き締めの観測が再燃。一方で、200日平均線がサポート・ラインとして意識される中、1850ドルを挟んだ揉み合いが続いていたものの、民間会社が発表した弱い米雇用指標を受けて、ユーロ高ドル安が加速し、6月2日に急伸。

上海市が6月1日に、約2ヶ月ぶりに外出制限を解除した事で、現物重要が回復するとの期待感も拡がった様で、翌3日には1878.6ドルまで買い進められる場面もみられております。ただ、5月米雇用統計で堅調な雇用情勢が示されたため、FRBが積極的に金融引き締めに動くとの懸念が再燃し反落「往って来い」の展開となりました。

 

米雇用統計

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5月米雇用統計によると、景気動向を敏感に反映する非農業部門就業者数は前月比39.0万人増と、4月(改定値、43.6万人増)から伸びは鈍化したものの、市場予想(32.8万人増)を上回りました。失業率は3.6%と横ばいでした(市場予想は3.5%)。平均時給は前年同月比5.2%増と、前月(5.5%増)から伸びが鈍化したものの、コロナ禍前のトレンドを大きく上回っております。

6月14、15日の両日にFOMC(米連邦公開市場委員会)が迫る中、今週は6月10日に発表される5月米消費者物価指数(CPI)に注目が集まりそうです。4月は前年同月比8.3%上昇したものの、伸び率は前月(8.5%)から鈍化しました。2ヶ月連続で減速する様だと、インフレ圧力のピークアウトが意識されそうですが、最近の原油価格の再上昇を受けて、むしろインフレは加速するとの見方が多い様です。

FRBが積極的に金融引き締めに動くとの懸念が再燃する中で、今週は上値の重い展開が続きそうですが、テクニカル的には200日平均線がサポート・ラインとして意識される中で、引き続き節目の1850ドルを維持しているだけに、4月18日の高値2003.0ドルから5月16日の安値1785.0ドルの下げ幅をフィボナッチ・リトレースメントで見た場合の38.2%戻し水準1868.3ドル超えを試す展開が続きそうです。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は6月3日時点で1066.05トン。前週末比3.77トン減少となり、3週ぶりに減少に転じました。

世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比0.64トン減少の518.32トンで、同じく減少に転じております。

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