NY金
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先週のNY金(中心限月)は、前週末比31.2ドル高の3346.6ドルで終了。反発に転じております。
5月29日に3242.4ドルまで下げるも、50日平均線を維持したことから、安値は買い拾われております。6月2日に急伸。トランプ米大統領が5月30日にSNSで中国との貿易交渉が進展していないことに不満を表明。また、海外から輸入する鉄鋼・アルミニウム製品にかける追加関税を25%から50%に引き上げると表明したことから、貿易摩擦の激化が世界景気の減速を招くとの警戒感が再燃。「安全資産」として金が選好されたようです。ウクライナによるロシアへの大規模なドローン攻撃を受けて、ロシアとウクライナの戦闘が激化するとの懸念が拡がったことも価格を押し上げた模様。
6月5日に一時3427.7ドルまで上昇するなど、レンジの上限を試す動きが続くも、直近高値3448.2ドル(5月7日)を上抜くことは出来ず。トランプ米大統領と中国の習近平国家主席が電話会談を行い、閣僚級の会合を近く開くことで一致。米中間の通商協議が進展し、関税を巡る両国の対立が緩和するとの期待が高まったことから、「安全資産」として買われてきた金を手放す動きが強まったようです。
その後も、5月米雇用統計で景気動向を反映する非農業部門就業者数が前月比13.9万人増と、市場予想(13.0万人増)をやや上回り、失業率も4.2%と、前月から横ばいとなるなど、米労働市場の底堅さを示す結果となったことを受けて、FRBによる早期利下観測が後退。また、トランプ米大統領が、中国との協議を6月9日にロンドンで開くことを明らかにしたことから、6月6日に3328.8ドルまで下げる場面も見られております。
来週にFOMC(米連邦市場委員会)を控える中、先週末からFRBは「ブラックアウト」期間に入っており、今週も上値の重い展開が続きそうです。一方で、世界最大の金ETFであるSPDRゴールドの金保有残高は増加基調にあるなど、米財政赤字の拡大懸念に加えて、ウクライナや中東を巡る「地政学リスク」も再度高まる中、「安全資産」として金を選好する動きは根強く、引き続き3300ドル付近は安値拾いの買いが入り易いとの見方が多いようです。引き続き50日平均線を維持出来るか注目されます。
SPDRゴールド・シェアの金保有残高
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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は6月6日時点で前週末比4.00トン増加の934.21トンと、3週連続で増加しております。
一方、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比1.87トン増加の433.68トンと、4週ぶりに増加に転じました。
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