NY金(中心限月、日足)

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先週のNY金(中心限月)は、前週末比3.1ドル高の1932.5ドルで終了。4週ぶりに上昇に転じております。

6月29日に一時1900.6ドルまで下げるも、節目の1900ドルを維持したことから突っ込み売り警戒感が台頭。売り方のショート・カバー(買い戻し)を中心に買い拾われる中、7月5日に一時1942.9ドルまで上昇する場面も見られております。ただ、FOMC議事要旨(6月13、14日開催分)が公表され、ほぼ全参加者が金利据え置きを支持したものの、インフレの根強さや景気、雇用が想定以上に強いことを理由に、複数の参加者が利上げ継続を支持していたことが明らかになり、上昇一服。

それに加えて、米民間雇用サービス会社ADPが発表した6月全米雇用報告で、非農業部門民間就業者数が前月比49.7万人増となり、市場予想(22.8万人)を大幅に上回ったほか、6月ISM米非製造業景況指数が前月から上昇。米国の労働市場の堅調さと景気の底堅さが示唆される内容となったことから、FRBによる金融引き締めの長期化観測が再燃。米10年債利回りが節目の4%を突破し、3月上旬以来の高水準を回復。金融政策の影響を受けやすい2年債利回りも一時5.12%を付け、2007年6月以来の水準まで上昇する中、「金利を生まない資産」である金を手放す動きが再度強まり、7月6日に一時1908.5ドルまで下げる場面も見られております。

その後、6月米雇用統計で景気動向を敏感に反映する非農業部門の就業者数は前月比20.9万人増と、前月(改定値、30.6万人増)から伸びが鈍化。市場予想(22.5万人増)も下回ったことから、一時1941.1ドルまで買われる場面も見られております。ただ、平均時給は前年同月比4.4%増と、米労働市場の堅調さをうかがわせる内容だったことから、高値を維持することは出来ず。

今週は7月12日に発表される6月米消費者物価指数(CPI)やベージュブック(地区連銀報告)に注目が集まりそうです。金利の高止まり観測から上値が重い一方で、FRBによる金融引き締めが長期化し、米景気が悪化することへの懸念から、「安全資産」として買い拾う動きが続きそうですが、目先は節目の1900ドルと100日平均線のどちらを抜けるかが注目されます。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は7月7日時点で前週末比6.65トン減少の915.26トンと、3週連続で減少しております。

また、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」も前週末比2.37トン減少の446.37トンと、6週連続で減少しております。

 

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