NY金(中心限月、日足)

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先週のNY金(中心限月)は、前週末比0.2ドル安の1929.4ドルで終了。小幅ながら3週連続で下落となりました。

四半期末に伴うファンドのリバランスの動きに加えて、テクニカル的に100日平均線でレジスタンスを受ける中、軟調な値動きが継続。ポルトガルで開かれた欧州中央銀行(ECB)主催のフォーラムでパウエルFRB議長は、現在の金利水準について「(インフレ率を目標の2%に低下させるのに)十分に景気抑制的ではないかもしれない」と分析。追加利上げを「議論の対象から外していない」と述べ、7月の次回会合で決める可能性を示唆。ECBのラガルド総裁も、「まだ対処すべき領域がある」とした上で、7月会合での追加利上げ決定について「可能性は非常に高い」と改めて述べるなど、米欧の主要中銀がインフレ抑制に向けてタカ派な姿勢を堅持したため、「金利を生まない資産」である金を手放す動きが強まり、6月29日に一時1900.6ドルまで下げる場面も見られております。世界最大の金ETFであるSPDRゴールドの金保有残高減少が続いていることも上値を重くしている模様。

金利の高止まり観測から上値が重い一方で、FRBによる金融引き締めが長期化し、米景気が悪化することへの懸念から、「安全資産」として買い拾う動きも出始めている様で、引き続き節目の1900ドルを維持出来るかが焦点となりそうです。

先週末に発表された5月米個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比3.8%上昇と、伸び率は前月(4.3%上昇)を下回り、2ヶ月ぶりに鈍化。2021年4月以来約2年ぶりの低水準となりました。価格変動が激しいエネルギー・食品を除いたコア指数も4.6%上昇と、前月(4.7%上昇)から鈍化し、米国のインフレに対する懸念が和らいでおります。

FRB高官が年内2回の追加利上げの可能性に繰り返し言及する中、今週は7月5日に公表されるFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨(6月13、14日開催分)、週末の6月米雇用統計に注目が集まりそうですが、終値で1900ドルを維持出来ない様ですと、短期的に昨年11月3日の安値1618.3ドルから今年5月4日の高値2085.4ドルの半値押し水準1851.9ドル辺りまで下げる可能性がありそうです。ただ、その水準では200日平均線がサポート・ラインとして意識され易いことに加えて、中銀をはじめとした実需の買いが価格を下支えしそうです。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は6月30日時点で前週末比5.20トン減少の921.90トンと、2週連続で減少。

また、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比2.06トン減少の448.74トンと、5週連続で減少しております。

 

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