NY金(中心限月、日足)

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先週のNY金(中心限月)は、前週末比28.8ドル安の1801.5ドルで終了。3週連続で下落となりました。FRBによる大幅利上げへの警戒感が根強い上に、200日平均線でレジスタンスを受け始める中、上値の重い展開が継続。世界第2位の金需要国であるインドが貿易赤字を縮小のため、金の輸入関税を7.5%から12.5%へ引き上げたと発表したことを受けて、7月1日に直近安値1785.0ドルを割込み、1783.4ドルまで下げる場面も見られております。

欧州中央銀行(ECB)主催の中銀フォーラムで、パウエル議長は米経済について「労働市場は非常に強く、金融引き締めに耐えることができる状態にある」と発言。また、引き締めが経済活動を冷やすリスクはあると認めた上で「物価安定に失敗することの方がリスクだ」と指摘。需要の抑制によるインフレ制御を優先すべき局面にあると強調するなど「タカ派」な姿勢を示したことが、引き続き金利を生まない金の上値を重くしている様です。

なお、下半期がスタートする中、ファンドのリバランスの動きが続いている様で、世界最大の金ETFであるSPDRゴールドの金保有残高は減少が続いております。

ただ、終値ベースでは、依然として節目の1800ドルを維持するなど、底堅い動きも見せております。2022年1-3月期米実質GDP(国内総生産)確定値は前期比1.6%減となりましたが、アトランタ連銀が公表している「GDPナウ」によると、7月1日時点の4-6月期米GDPはマイナス2.10%と予測されております。米経済を支える個人消費の減速が鮮明となり、米経済のリセッション(景気後退)観測も出始める中、「安全資産」として買い拾う動きも根強い様です。

今週はFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨(6月14、15日開催分)や6月米雇用統計の発表が予定されております。FOMC議事要旨は、市場の金利見通しとの相違があるのか注目されそうです。また、週末には米雇用統計が発表されますが、市場の注目が景気の動向に移る中、堅調な雇用情勢が続いているかも注目されます。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は7月1日時点で前週末比19.14トン減少の1041.91トン。2週連続で減少となりました。

一方で、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比1.80トン減少の510.16トンで、5週連続で減少となっております。

 

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