NY金(中心限月、日足)

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先週のNY金(中心限月)は、前週末比35.5ドル高の1762.9ドルで終了。2週連続で上昇となりました。FOMC(米連邦公開市場委員会)声明やパウエル議長の記者会見を受けて米利上げが一段と加速するとの懸念が後退したことから、見直し買いが入り始めている様です。

FRBは、FOMCで通常の3倍となる0.75%の大幅利上げを2会合連続で決定。一方で、声明公表後の記者会見で、パウエル議長は次回会合での利上げペースについてデータ次第と発言。追加的な大幅利上げの可能性を示唆しつつも、「消費の伸びは大きく鈍化した」、「引き上げペースの減速が適切となる可能性はある」と述べ、警戒されていたほどタカ派寄りの姿勢を示さず。

 

四半期別 米GDP

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また、翌日に発表された2022年4-6月期米実質GDP(国内総生産)速報値が、2四半期連続でマイナス成長となり、リセッション(景気後退)懸念が強まる中、「安全資産」として買われております。また、大幅な利上げが実施されるとの観測が後退する中、ドル指数が下落し始めたことも好感された様で、7月29日に一時1765.7ドルまで買い進められるなど、終値ベースでは7月5日以来の1750ドル超えとなりました。

 

米PCE

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今週は、7月ISM米製造業景況指数や7月米雇用統計など、重要な米経済指標が発表されます。前述の様に、パウエル議長は次回会合での利上げペースについてデータ次第と発言しており、雇用統計で賃金の伸びが鈍化している様だと、FRBによる急激な利上げペースの鈍化期待が強まる可能性がありそうです。一方、市場予想を上回る上昇となる様だと、大幅利上げへの懸念が再燃する可能性があります。

なお、先週末に発表された2022年4-6月期米雇用コスト指数は市場予想を上回り、インフレの高止まりを反映する内容でした。

テクニカル的には、MACDの上昇が続く中、6月13日の高値1882.5ドルから7月21日の安値1678.4ドルの下げ幅をフィボナッチ・リトレースメントで見た場合の38.2%戻し水準1756.4ドルを上回っただけに、今週は半値戻し水準1780.5ドルを意識した動きになるか注目されます。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は7月29日時点で前週末比0.01トン減少の1005.87トン。小幅ながら6週連続で減少となりました。1月20日以来の1000トン割れとなるか、引き続き注目されます。

世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」も前週末比1.89トン減少の501.10トンと、9週連続で減少となっております。

月別では「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は前月末比44.44トン減少。3ヶ月連続で減少となりました。

 

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