NY金

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先週のNY金(中心限月)は、前週末比91.5ドル高の3491.3ドルで終了。2週連続で上昇しております。

7月のFOMC(米連邦公開市場委員会)でパウエルFRB議長がタカ派な姿勢を示したことから、7月30日に一時3263.9ドルまで下げるも、100日平均線がサポート・ラインとして意識される中、安値は買い拾われて反発。8月1日に発表された7月米雇用統計で、非農業部門就業者数が前月比7.3万人増と市場予想(11.0万人増)を大幅に下回り、5月と6月分も大幅に下方修正される「ネガティブ・サプライズ」となり、米景気の先行きに警戒感が強まったことから、8月1日に急伸。その後も、FRBによる早期利下げ期待に加えて、トランプ米政権の関税政策によって世界景気が減速するとの懸念が拡がる中、金に見直し買いが入り、8日に4月22日以来の3500ドル台を回復。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が、米国が1キログラムの金地金に関税を課したと報じたことを受けて、先行きの供給懸念が意識されて、一時3534.1ドルまで上昇し、最高値を更新する場面もみられております。

ただ、米国が金地金に関税を適用するとの一部報道をホワイトハウス関係者が「誤った報道」と否定したため、週明け8月11日は急落。「往って来い」の展開となっております。

今週は8月15日にアラスカで開催される予定の米ロ首脳会談が注目されそうです。また、米金融政策の先行きを占う上で、注目度の高い7月米消費者物価指数(CPI)が8月12日に発表されます。

CMEが公表している米金利先物の値動きから政策金利を予想する「FedWatch(フェドウォッチ)」(8月8日時点)によると、9月のFOMCでFRBが利下げを行うとの見方は9割超まで上昇しているだけに、インフレ加速の兆候が見られないようだと、8月下旬に開催される「ジャクソンホール会議」で、パウエルFRB議長が利下げを示唆するとの思惑が拡がることも想定されます。

なお、トランプ米大統領が8月7日に、辞任するクグラー理事の後任として、米大統領経済諮問委員会(CEA)のミラン委員長をFRBの理事に指名すると発表。7月のFOMCで利下げを主張したボウマン副議長(金融規制担当)とウォラー理事に加えて、ミラン氏も利下げを積極的に支持するとみられております。

目先は3400ドル台を維持出来るかが焦点となりそうです。割り込むようですと、50日平均線辺りまで下げて来ることも想定されますが、世界大の金ETFである「SPDRゴールド」の金保有残高は増加傾向にあり、中国人民銀行が金準備を9ヶ月連続で積み増すなど、新興国を中心とした中央銀行の金買いも続いております。世界景気の先行き不安に加えて、ロシアやイスラエルを巡る「地政学リスク」も意識され易く、引き続き安値は「安全資産」として買い拾われそうです。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は8月8日時点で前週末比6.56トン増加の959.64トンと、増加に転じました。

一方、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比2.57トン増加の452.61トンと、10週連続で増加。

 

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