NY金(中心限月、日足)

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先週のNY金(中心限月)は、前週末比3.6ドル高の2473.4ドルで終了。続伸しております。

7月ISM米製造業景況感指数が昨年11月以来8ヶ月ぶり低水準となり、7月米雇用統計も市場予想を下回ったことから、米景気の先行き不安が強まる中、8月2日に2522.5ドルまで買い進められ、史上初めて2500ドル台に乗せるも、大台に乗せた達成感から、買い方の利喰い売りに押される形となり、終値では維持出来ず。

投資家のリスクオフ姿勢が強まる中、5日は急落。利喰い売りや信用取引のマージンコール(追い証)を確保するためとみられる売りが先行し、一時2403.8ドルまで下げる場面も見られております。その後も、軟調な値動きが続くも、FRBによる早期利下げ期待や中東の「地政学リスク」の高まりを背景に安値は買い拾われる中、2400ドルの節目を維持。

その後、カービー米大統領補佐官(広報担当)が8月12日に、イランと親イラン勢力によるイスラエルへの報復攻撃について、「今週の恐れがある」と警告。また、「一連の攻撃に備えるべきだ」と述べ、大規模攻撃になる可能性を示唆したことから、中東の「地政学リスク」への警戒が高まる中、週明け12日に一時2513.4ドルまで上昇するなど、史上初めて終値で2500ドル台に乗せて来ております。ウクライナがロシア領へ進軍していることも意識された模様。

なお、市場では9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)でFRBが利下げを開始するとの見方が既にコンセンサスになっております。ただ、「サーム・ルール」が発動するなど、米景気の悪化懸念が急速に高まる中、FRBの政策が後手に回っているとの見方から、9月のFOMCで0.50%の利下げを行うとの見方が拡がっております。また、その後2会合も0.25%ずつ利下げし、年1.00%の利下げを行うとの見方が主流になりつつあるなど、米景気後退に対する警戒感が過度に高まっている様に見えます。

そのため、少なくとも8月22〜24日に開催される「ジャクソンホール会議」までは、主要米経済指標の結果次第で、乱高下する可能性がありそうです。なお、今週は8月14日に7月米消費者物価指数(CPI)、翌15日に7月米小売売上高の発表が予定されております。

2500ドルに乗せた後は、やや上値の重い展開となっており、再度買い方の利喰い売りに押される可能性もありそうですが、引き続き中東の「地政学リスク」への警戒や、FRBによる早期利下げ観測が価格を下支えしそうです。世界最大の金ETFであるSPDRゴールドの金保有残高が増加傾向にあるなど、投機資金の流入が続いており、底堅い展開が想定されます。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は8月9日時点で前週末比1.43トン増加の846.91トンと、6週連続で増加。

一方、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比11.72トン減少の370.26トンと、5週ぶりに減少に転じております。

 

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