NY金(中心限月、日足)
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先週のNY金(中心限月)は、前週末比24.3ドル高の1815.5ドルで終了。4週連続で上昇となりました。8月4日に終値ベースでは7月1日以来の1800ドル台を回復。8月10日に1824.6ドルまで買い進められる場面も見られたものの、その後は1800ドル台前半で揉み合う展開。
50日平均線をサポート・ラインとして意識される中、1800ドル付近では買い拾われ易く、底堅い動きとなっております。
7月米消費者物価指数(CPI)は、前年同月比8.5%上昇。最近の原油相場の下落などを受けて伸び率は前月(9.1%上昇)を下回り、3ヶ月ぶりに減速。季節調整済みで前月比では0.0%となり、前月(1.3%)から鈍化。2020年6月以降続いていた上昇に約2年ぶりに歯止めが掛かっております。
また、7月米卸売物価指数(PPI、2009年=100)は、前年同月比9.8%上昇。前月(11.3%上昇)を下回り、2021年10月(8.9%)以来9ヶ月ぶり水準に鈍化。季節調整済みで前月比では0.5%低下となり、2020年4月以来のマイナスとなりました。
ただ、共にインフレ鈍化を示唆する内容だったものの、7月のインフレ減速は最近の原油相場の下落によるところが大きく、ロシアのウクライナ侵攻を受けた穀物高騰や半導体不足による自動車の生産停滞など、物価高の要因は根強く残っているため、引き続きFRB高官からはタカ派な発言が目立っております。
ミシガン大、米期待インフレ率
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なお、先週末に米ミシガン大が発表した8月米消費者調査によると、1年先の期待インフレ率は5.0%となり、前月から0.2ポイント低下。今年2月(4.9%)以来の低水準となりました。一方で、5年先の期待インフレ率は3.0%と、前月から0.1ポイント上昇しております。
今週は、8月17日にFOMC(米連邦公開市場委員会)の議事要旨(7月26、27日開催分)が公表されます。前述の様に、市場の利上げ観測の後退に対して、FRB高官からは牽制発言が相次いでおり、9月以降の利上げペースに関する文言がある様だと、再度利上げ観測が高まるか注目されます。
ただ、目先は8月25-27日に開催されるジャクソンホール会合待ちで、1800ドルを中心とした揉み合いが続きそうです。50日平均線をサポートに1800ドルを維持しつつ、3月8日の高値2078.8ドルから7月21日の安値1678.4ドルの下げ幅をフィボナッチ・リトレースメントで見た場合の38.2%戻し水準1831.4ドル超えを試す展開が想定されます。
なお、CMEが公表している「Fedウォッチ」(8月12時点)によると、46.4%が12月のFOMC時点で政策金利は3.50%-3.75%と予測。
1週間前(8月5日時点、46.9%)とほぼ変化がなく、今後年末にかけて1.25%の利上げが行われるとの見方が依然多い様です。
SPDRゴールド・シェアの金保有残高
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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は8月12日時点で前週末比3.19トン減少の995.98トンと、8週連続で減少。
世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」も前週末比1.71トン減少の497.10トンと、11週連続で減少となりました。
なお、今週15日は保有報告書の提出期限となります。米国の機関投資家は、各四半期終了後 45 日以内に米国証券取引委員会(SEC)に「フォーム 13F 」と呼ばれる保有有価証券報告書の提出が義務付けられております。著名ファンドの金ETF持ち分の変化が注目されます。
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