NY金(中心限月、日足)
↓クリックすると拡大します↓
先週のNY金(中心限月)は、前週末比30.1ドル安の1916.5ドルで終了。続落となりました。
米長期金利の高止まりを受けて「金利を生まない資産」である金に売り圧力が強まる中、8月7日から17日まで9営業日続落。17日に一時1914.2ドルまで下げる場面も見られております。
7月米消費者物価指数(CPI)は、前年同月比の伸び率が13ヶ月ぶりに加速し、インフレ高止まりに対する懸念を払しょくすることは出来ず。また、FOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨(7月25、26日開催分)で、大半のFOMC参加者はインフレ率が上振れするリスクがかなりあり、その場合は一段の金融引き締めが必要になるかもしれないとの見方を示していたことが明らかとなり、FRBによる金融引き締めが長期化するとの懸念が再燃。今週25日にジャクソンホール会議で予定されているパウエルFRB議長の講演はタカ派な内容になるとの警戒感が高まっております。
米長期金利が高止まっていることに加えて、テクニカル的にもMACDがデッド・クロスを維持する中、今週も上値の重い展開が続きそうです。
一方、格付け大手フィッチ・レーティングスが、米銀大手JPモルガン・チェースを含む約70行の信用格付け引き下げの可能性を警告し、金融セクターを取り巻く不透明感が高まっております。また、経営再建中の中国不動産大手、中国恒大集団が米国で破産申請をするなど、不動産不況の長期化による悪影響が中国経済に拡がり始める中、「安全資産」として買い拾う向きもある模様。
また、中国人民銀行(中央銀行)が9ヶ月連続で金を購入するなど、新興国を中心とした中央銀行の金買いは引き続き活発であり、1900ドル付近では実需の買いが価格を下支えするとの見方は根強く、目先は200日平均線をサポートに、節目の1900ドルを維持出来るか注目されます。
なお、南アフリカのヨハネスブルクで8月22~24日にブラジル、ロシア、インド、中国、南ア(BRICS)の首脳会談(BRICSサミット)が開催されます。米ドル依存からの脱却が議論される予定で、金相場にも影響がありそうです。
SPDRゴールド・シェアの金保有残高
↓クリックすると拡大します↓
最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は8月18日時点で前週末比9.53トン減少の890.10トンと、4週連続で減少しております。
世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」も前週末比1.23トン減少の438.77トンと、同じく4週連続で減少しております。
※豊トラスティ証券株式会社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものです。銘柄の選択、売買価格など投資にかかる最終決定は弊社の重要事項説明書を十分にお読み頂き、投資家自身の判断でなさる様にお願い致します。本資料作成につきましては細心の注意を払っておりますが、その正確性については保証するものではなく、万一その内容に誤りがあった場合、その誤りに基づく障害については当社は一切の責任を負いかねます。