NY金(中心限月、日足)

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先週のNY金(中心限月)は、前週末比8.5ドル高の2546.3ドルで終了。4週連続で上昇しております。

FRBによる早期利下げ観測が強まる中、8月16日に急伸。20日に2570.4ドルまで買い進められるなど、連日で最高値を更新。ただ、その後はイベント前のポジション調整の動きが強まる中で続落。

FOMC議事要旨(7月30、31日開催分)で、大多数の参加者が「想定内のデータが今後も続けば、次回の会合で金融緩和をするのが適切になる可能性が高い」とみていたことが明らかとなりました。また、米雇用統計の年次改定で過去の雇用者数が大幅に下方修正されたことを受けて、改めてFRBによる早期利下げが意識され始める中、カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」でパウエルFRB議長が講演。

パウエル議長は、足元で進行するインフレ鈍化と労働市場の減速を踏まえ、政策を緩和方向へ転換する「時機が到来した」と明言。9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利下げが決定されるとの見方が拡がる中、米長期金利が低下。そのため、ドル建て商品に相対的な割安感が生じる中で反発に転じております。

また、パウエル議長が「米経済は堅調な成長を続けているが、雇用の下振れリスクは高まっている」と懸念を表明したため、労働市場がさらに悪化すれば、9月0.50%の大幅利下げを行うとの見方も出始めており、目先は堅調な値動きが続きそうです。

最近の急騰を受けて、買い方の利喰い売りも出て来そうですが、FRBによる早期利下げ期待に加えて、中東やウクライナを巡る「地政学リスク」が意識される中、安値は「安全資産」として引き続き買い拾われることが想定されます。

実需の買いも価格を下支えすると見られております。世界最大の金ETFであるSPDRゴールドの金保有残高は、増減を繰り返しながらも増加傾向にあり、8月23日時点で前月末比10.06トン増加しております。

また、7月のスイスからインドへの金輸出量は3ヶ月ぶりに増加に転じた上に、ロイター通信は中国人民銀行(中央銀行)が市中銀行に新たな金の輸入枠を割り当てたと報じており、中国の金買いが再び活発化するとの見方が拡がっております。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は8月23日時点で前週末比1.15トン増加の856.12トンと、8週連続で増加。

一方、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比1.47トン増加の365.33トンと、3週ぶりに増加に転じております。

 

 

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