NY金(中心限月、日足)
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先週のNY金(中心限月)は、前週末比13.1ドル安の1749.8ドルで終了。2週連続で続落となりました。8月15日から22日まで6営業日続落。米長期金利が約1ヶ月ぶりに3%台を回復したのに伴ってドル高が続く中、8月22日に1740.2ドルまで下げるも、その後はポジション調整の動きが強まった様で一段安とはならず。ただ、パウエルFRB議長が講演でタカ派寄りの発言をしたことを受けて、再度急落。1746.2ドルまで下げる場面も見られております。
FRBのパウエル議長は8月26日に、米ワイオミング州ジャクソンホールで開催された経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で講演。依然高止まりするインフレの抑制には、金融引き締めを「しばらくの間」維持する必要があるとの見解を表明。物価安定へ「決意を持って行動する」と強調しました。
また、物価高や好調な労働市場を踏まえれば、中立金利は利上げを「とどめる水準ではない」と明言。「物価安定回復には、景気抑制的な政策スタンスをしばらくは維持する必要がある」とした上で、家計や企業の痛みを承知で、インフレ抑制に取り組む構えをみせ、市場の一部に浮上していた利上げ打ち止め観測や、来年にも利下げに転じるといった楽観的な見方が大きく後退。ドル高が続く中、週明けのNY時間外取引も軟調にスタートしております。
今週は、9月1日に8月SM米製造業景況指数、9月2日に8月米雇用統計の発表が予定されております。特に米雇用統計で、米労働市場の力強さが示されれば、FRBによる積極的な利上げを後押しする形となり、金市場に一段と売り圧力が強まる可能性がありそうです。
テクニカル的にも、MACDがデッド・クロスを維持し、緩やかに切り下がって来ている50日平均線でレジスタンスを受ける中、上値の重い展開が続きそうですが、再度リスクオフの動きが強まる様だと、「安全資産」として安値は買い拾われそうです。
ドル高が再度進んでいるのは気になる動きであるものの、何度か書いている様に、新興国を中心とした実需の買いが価格を下支えするとの見方も出ております。
前月は一時1678.4ドルまで下げるなど、1700ドル台前半の値動きが中心となりましたが、7月のスイス金輸出量が急増。中国など新興国の買いが確認されております。
SPDRゴールド・シェアの金保有残高
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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は8月26日時点で前週末比4.64トン減少の984.39トンと、10週連続で減少。
一方、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比0.35トン増加の496.77トンと、13週ぶりに増加に転じました。
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