NY金

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先週のNY金(中心限月)は、前週末比97.6ドル高の3516.1ドルで終了。2週連続で上昇しております。

パウエルFRB議長が8月22日にカンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)で講演し、雇用の下振れリスクが増大しているとした上で、「政策スタンスの調整が必要になる可能性がある」と述べ、利下げの検討を慎重に進める考えを示唆。市場の想定よりもハト派寄りとの見方から、9月FOMC(米連邦公開市場委員会)で利下げ再開されるとの見方が市場で拡がり、一時3423.4ドルまで上昇。ただ、パウエル議長は「金融政策は既定のコースにはない」と述べ、今後も「データ次第」で判断する姿勢を強調したため、その後は買い方の利喰い売りに押されるも、8月13日以来の3400ドル台を回復して終了しました。

週明け8月25日は小幅安となったものの、トランプ米大統領がFRBのクック理事の解任を表明したことで、FRBの独立性を巡る懸念が高まる中、その後26日から29日まで4営業日続伸中。

7月米個人消費支出(PCE)物価指数が前年同月比2.6%上昇と、伸び率は前月から横ばいとなり、市場予想(2.6%上昇)と一致。価格変動が激しいエネルギーと食品を除いたコア指数ベースでは同2.9%上昇と、前月(2.8%上昇)からやや加速したものの、こちらも市場予想(2.9%上昇)と一致したことから、FRBが9月のFOMCで利下げに動くとの見方が拡大。8月29日に一時3518.5ドルまで上昇するなど、史上初めて終値で3500ドル台に乗せております。

週明け9月1日の時間外取引も大幅続伸。8月8日の3534.1ドルを上回り、一時3553.8ドルまで上昇するなど、最高値を更新しております。

クックFRB理事は、トランプ米大統領による解任は不当だとしてトランプ氏を提訴。解任を巡る法廷闘争は始まっていますが、解任問題が長引くようですと、FRBの独立性やドルの信認が損なわれるとの懸念が強まり、金相場を下支えしそうです。

また、ウクライナ情勢に加えて、中東でもイラン核協議の行方やイスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの攻撃が強まるなど、「地政学リスク」が再度高まる中、「安全資産」として金を選好する動きは続くとの見方が多い模様。なお、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド」の金保有残高は2022年8月29日以来の水準を回復するなど、実需の買いも強まっております。

テクニカル的に相対力指数(RSI)は70%を上回ってきているものの、MACDが上昇基調を強める中、3600ドルを意識した動きが続くことが想定されます。

パウエル議長の発言を受けて、市場が改めてFRBの9月利下げを織り込み始める中、焦点は年内の利下げ回数に移っております。FRBの利下げペースを占う上で、米労働市場の下振れリスクが急速に高まる中、目先は9月5日に発表される8月米雇用統計に注目が集まりそうです。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は8月29日時点で前週末比20.90トン増加の977.68トンと、増加に転じております。

世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」も前週末比4.66トン増加の456.34トンと、増加に転じました。

 

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