NY金(中心限月、日足)
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先週のNY金(中心限月)は、前週末比3.5ドル高の1946.2ドルで終了。反発に転じております。
米長期金利の高止まりに加えて、50日平均線でレジスタンスを受ける中、上値の重い展開が継続。欧州中央銀行(ECB)は定例理事会で、10会合連続となる政策金利の引き上げを決めたものの、声明で「目標に適時に戻すために大きく貢献する水準に達している」と評価。今会合での利上げ打ち止めを示唆したとの見方が拡がり、ユーロ安ドル高が進行。相対的にドル建て商品に割高感が強まる中、9月14日に一時1921.7ドルまで下げる場面も見られております。
その後、ラガルドECB総裁が「(利下げ観測は)検討事項ではない」と牽制する発言をしたことや、スロバキア中銀総裁が「追加利上げの可能性は排除できない」との発言を付けて、ユーロが買い戻される中、金も買い進められて、9月18日に一時1955.7ドルを付ける場面も見られております。
今週はFOMC(米連邦公開市場委員会)を控えて、週前半は様子見ムードが強まりそうです。8月米消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.7%上昇。最近のエネルギー高を受けて、伸び率は前月(3.2%上昇)を上回り、2ヶ月連続で加速。市場予想(3.6%上昇)も上回った。変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数は4.3%上昇。前月(4.7%上昇)から伸びが鈍化(市場予想は4.3%上昇)。ただ、依然として高水準で推移しており、追加利上げ観測を払拭することは出来ず。
ただ、市場では、9月会合での政策金利据え置きを既に織り込んで推移しており、焦点はFOMC参加者の金利見通し(ドット・チャート)で、年内の追加利上げの有無と利下げ時期に変化が見られるかになりそうです。パウエル議長の発言にも注目が集まりますが、最近の原油高への警戒感から「データ次第」との従来の姿勢を維持するとの見方が多い様です。
切り上がって来ている200日平均線をサポートに、再度100日平均線超えを試す展開となるか注目されます。一方、利上げの長期化が意識されて200日平均線を割り込む様ですと、1900ドル付近辺りまで下げることが想定されます。ただ、FRBのターミナルレート(利上げの着地点)が見え始める中、実需を中心に買い拾われそうです。
なお、中国人民銀行(中央銀行)が6ヶ月ぶりに預金準備率を引き下げたほか、中国政府が不動産市場の支援策を相次いで打ち出す中、世界最大の金需要国である中国の需要が喚起されるとの見方が出ております。
SPDRゴールド・シェアの金保有残高
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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は9月15日時点で前週末比6.37トン減少の880.27トンと、2週連続で減少しております。
世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比1.36トン減少の426.95トンと、8週連続で減少。
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