NY金(中心限月、日足)

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先週のNY金(中心限月)は、前週末比0.6ドル安の1945.6ドルで終了。小反落となっております。

9月18日に9営業日ぶりに1950ドル台を回復し、20日に一時1968.9ドルを付ける場面も見られたものの、翌21日はFRBのタカ派姿勢を背景に反落となりました。

FOMC(米連邦公開市場委員会)声明公表後の記者会見で、パウエル議長は年内あと1回の利上げの可能性に言及。FOMC参加者の金利見通し(ドット・チャート)でも、年内に過半数を占める12人が年内あと1回の利上げを予想していることが明らかとなり、市場の一部が期待していた「利上げ終結宣言」が先送りとなりました。また、ドット・チャートで6月時点では1.00%と予想されていた2024年中の利下げ幅が0.50%に縮小され、市場の想定よりも利下げ時期が後ずれするとの見方が拡がる中、米金融引き締めの長期化懸念が再燃。「金利を生まない資産」である金を手放す動きが強まり、21日に一時1933.1ドルまで下げる場面も見られております。ただ、引き続き200日平均線がサポート・ラインとして意識された様で、安値は買い拾われております。

FRBの「Higher for Longer(より長期にわたり、より高くとどまる)という金融政策のテーマが、引き続き上値を抑えそうな一方で、FRBのターミナルレート(利上げの着地点)が見え始める中、米長期金利が4.5%台まで上昇し、2007年以来16年ぶり高水準となる中でも、金相場は底堅い動きを見せております。

米国では2023会計年度末が迫る中、つなぎ予算を巡る与野党間の駆け引きが続いており、月末までにつなぎ予算が成立しなければ、政府機関の一部閉鎖が起きる可能性があります。また、全米自動車労組(UAW)のストライキが継続中であることに加えて、このまま原油高が続けば、景気を冷やす可能性があり、米経済がソフトランディング(軟着陸)出来ない状況に備えて、「安全資産」として買う動きが見られ始めている様です。

また、以前から書いている様に、「脱ドル化」の一環で新興国を中心に中央銀行の活発な買いも続いているだけに、底堅い展開が続きそうです。引き続き、200日平均線と100日平均線のどちらを抜けて来るか注目されます。

なお、今週は複数の米経済指標発表に加えて、複数のFRB高官の講演が予定されており、注目されそうです。先週末にボウマンFRB理事が利上げは必要との考えを示す一方で、サンフランシスコ連銀のデイリー総裁は利上げの到達点が近付いているとの認識を示しました。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は9月22日時点で前週末比2.88トン減少の877.39トンと、3週連続で減少しております。

世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比0.88トン減少の426.07トンと、9週連続で減少。

 

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