NY金(中心限月、日足)

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先週のNY金(中心限月)は、FRBがタカ派姿勢を強める中で、米長期金利が高止まりし、上値の重い展開が続く中、50日平均線を割り込んだことを受けて下げ足を速め、4月25日に終値ベースでは2月25日以来の1900ドル割れで終了。その後は、1900ドルを挟んだ揉み合いが続いていたものの、FOMC(米連邦公開市場委員会)への警戒感に加えて、ドル指数が対主要通貨で約20年ぶりの水準に上昇したことを受けて、相対的にドル建て商品に割高感が生じたため、4月28日に1870.9ドルまで下げる場面も見られております。ただ、100日平均線がサポート・ラインとして意識された様で、先週末は1900ドル台を回復して終了しました。

今週は、5月3、4日の両日にFOMCが開催されます。FRB高官をはじめ、パウエルFRB議長も5月のFOMCで0.50%の大幅利上げを検討することを明らかにしたことから、市場では通常の倍となる0.50%の利上げと、量的引き締め(QT)と呼ばれる資産圧縮が決定されることを織り込みつつある様です。

大幅な利上げが連続して行われるとの観測が拡がるなど、改めてFRBの積極的な利上げ姿勢が意識され始めておりますが、声明公表後に開かれる記者会見で、パウエル議長が今後の利上げのペースについて、どの様に語るか注目されます。なお、今回の記者会見は、約2年2ヶ月ぶりに対面方式となる予定。

昨年8月9日の安値1677.9ドルから今年3月8日の高値2078.8ドルの上げ幅をフィボナッチ・リトレースメントで見た場合の半値押し水準1878.4ドル付近では買い拾われておりますが、少なくともFOMCを通過するまでは上値の重い展開が続きそうです。

通過後は、弱材料出尽くしで一旦底打ちとなるとの見方が多い様ですが、100日平均線を割り込む様だと、短期的に節目の1850ドル、次いで61.8%押し水準1831.0ドルや200日平均線辺りまで下げることも想定されますが、インフレ高進への懸念や世界景気の減速への警戒感から、実需を中心に安値は買い拾われそうです。

なお、4月28日に産金業界団体ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が最新の需給レポートを公表。2022年第1四半期(1-3月)の世界金需給は77.4トンの供給不足となった様です。供給不足となるのは2018年第4四半期(10-12月)以来。金ETF関連の金需要が大きく伸びました。

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の4月末の金保有残高は1094.55トン。前月末比3.11トン増加となり、4ヶ月連続で増加となりました。

世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は同3.73トン増加の520.31トンで、こちらは3ヶ月連続で増加。

 

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