NY白金(日足)

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NY白金(中心限月)は、前週比1.3ドル安の1137.9ドルで終了となり、3週連続で下落となりました。米国で金融システムを巡る不安が再燃している上に、これまでの一連の利上げが米景気を下押しするとの見方が拡がる中、5月4日に1042.7ドルまで下げる場面も見られたものの、終値ベースでは1050ドルを維持。改めて底堅さが意識される中、安値は買い拾われており、5月9日に9営業日ぶりに1100ドル台を回復。翌10日に一時1137.9ドルを付ける場面も見られたものの、勢い続かず。

ランド安が続き、白金の輸出量が増加するとの思惑が拡がる中、12日に再び急落となり、1058.0ドルまで下げる場面も見られております。

相関性の高い金相場が2000ドルを挟んだ揉み合いとなっていることもあり、白金相場も1100ドルを上回ると上値が重くなっている様です。このまま4月21日の高値1148.9ドルを上抜くことが出来ない様だと、Wトップ型が意識され始める可能性もありそうですが、金相場は底堅く推移しており、引き続き押した場面では買い拾われそうです。

ファンダメンタルズ的にも、これから南半球の南アフリカは冬に向かうため、より一層電力不足が意識されそうです。また、中国政府は5月9日に自動車の排ガスに関する新たな規制を7月から導入すると発表。自動車触媒向け需要が増えるとの期待感も価格を下支えると見られております。

今週は5月16日から20日まで毎年恒例の「ロンドン・プラチナ・ウィーク」となります。それに先立って、白金製錬業の英ジョンソン・マッセイ(JM)社と白金業界団体「ワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシル(WPIC)」は5月15日に最新の需給レポートを公表する予定。

世界最大の白金生産国である南アフリカで計画停電が続く中、南アフリカの白金生産大手アングロ・アメリカン・プラチナム(アムプラッツ)の2023年1-3月期白金生産量は前期比9.1%減少の12.96トンと、2020年4-6月期(9.56トン)以来の低水準に留まっており、一段と供給懸念が強まるか注目されます。なお、WPICは3月に公表したレポートで2023年世界白金需給を17.3トンの供給不足と予測しております。

 

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