仏メディアによると、6月30日に行われたフランス国民議会(下院、定数577)選挙の第1回投票は即日開票の結果、移民排斥や自国第一主義を掲げる極右野党・国民連合(RN)が最多得票を確保する見通しとなっております。

7月7日の決選投票で過半数(289議席)に迫る勢いで、AFP通信によると、中道のマクロン大統領は反極右の幅広い選挙協力を呼び掛けております。選挙戦はRNを軸とする極右勢、左派野党、中道与党による三つ巴の争い。

第1回投票の予想得票率は極右が33~34%、左派が28~29%、中道が20~22%。決選投票を経た最終的な予想獲得議席は、極右が230~310、左派が115~200、中道が60~120となっており、RNが下院の過半数を掌握すれば、極右内閣とマクロン氏が統治を分担する「コアビタシオン(共存政権)」が誕生する公算が大きくなっております。隣国イタリアでは極右出身のメローニ首相が2022年から政権を担っているものの、第2次大戦後のフランスで極右の政権参画は前例がなく、左派、中道陣営が危機感を強めております。

なお、RNを束ねるルペン前党首は6月30日の演説で「国民はページをめくる意志を示した」と第1回投票の結果を歓迎した上で、「まだ勝っていない。重要なのは決選投票だ」と団結を促しております。

イラン大統領選、改革派が首位!!

6月28日投票のイラン大統領選で、同国内務省は6月29日に、開票結果を発表。改革派のペゼシュキアン元保健相と保守強硬派のジャリリ元最高安全保障委員会事務局長が得票数で1、2位となったが、いずれも当選に必要な過半数を得票できず、決着は7月5日の決選投票に持ち越されております。大統領選が決選投票にもつれ込むのは2005年以来、19年ぶり2回目。

大統領選では当初、保守強硬派が優位とみられておりました。ただ、「投票すること自体が体制指導部の信任につながる」として最近の選挙を棄権してきた一部有権者が、ペゼシュキアン氏支持で結集。健闘を後押しする形となった模様。

内務省によると、首位のペゼシュキアン氏の得票率は約42.5%。ジャリリ氏は約38.6%でした。投票率は40%と国政選挙として1979年のイスラム革命以降の最低となっております。

ペゼシュキアン氏は対外協調を志向し、国際社会との対話を通じ経済制裁の解除を目指す方針を強調。イランで女性の頭部を覆うスカーフ着用義務化についても「強制は反発を招くだけだ」と否定的な立場。改革派ハタミ元大統領や保守穏健派ロウハニ前大統領らの支持を得て、強硬派に対する不満の受け皿として一定の期待を集めた様です。

一方のジャリリ氏は、保守強硬派アハマディネジャド政権(2005年~2013年)下で核交渉の責任者を務め、非妥協的な強硬姿勢で知られます。強硬派ライシ政権の路線を継承し、中国やロシア、新興国との関係強化を主張。勝利すれば、核問題などで米欧諸国との対立は一段と深まる可能性があります。

今回の選挙は、ライシ大統領の死去を受けて急きょ実施された。新大統領の任期は4年で、連続2期まで可能。ただ、イランの大統領は国政の全権を握る最高指導者ハメネイ師に次ぐ立場。

 

 

 

 

 

 

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