米ドル・円
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米ドル・円は、7月米雇用統計が「ネガティブ・サプライズ」となったことを受けて、FRBの早期利下げ観測が強まる中、8月5日に146.62円まで円高が進む場面もみられるも、120日平均線がサポート・ラインとして意識される中、ドルが買い拾われて反発。8月12日に148.52円まで円安が進む場面もみられております。
ただ、7月米消費者物価指数(CPI)が、概ね市場予想と一致し、高関税政策による物価への影響は限定的との見方から、改めてFRBが9月に利下げするとの思惑が拡がり、円が買い戻されております。その後も、ベッセント米財務長官がブルームバーグテレビとのインタビューで、FRBは「1.50%~1.75%」の利下げ余地があるとの見方を示し、9月会合での利下げを皮切りに、FRBの緩和サイクルが始まると予想。また、日銀は後手に回っており、利上げを実施すると述べたことから、日米金利差の縮小を見込んだ円買いドル売りが拡がり、146円台前半まで円高が進む場面もみられております。
FRBのパウエル議長は8月22日に、ワイオミング州で開かれる年次経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で講演する予定となっており、来週はイベントを控えて様子見姿勢が強まりそうです。引き続き120日平均線と200日平均線のレンジで推移することが想定されます。
日銀が公表した7月の金融政策決定会合の「主な意見」は、利上げに前向きな「タカ派」の内容だったとの見方が多く、日銀による年内利上げが改めて意識され始めております。インフレ再燃への警戒感が後退する中、労働市場の鈍化を踏まえてパウエル議長が9月の利下げ再開を示唆するようですと、日米金利差の縮小を見込んだ円買いドル売りが拡がる可能性がありそうです。なお、昨年の講演では「政策を調整すべき時が来た」と述べ、9月の利下げを示唆。その後、9月のFOMCで4年半ぶりの利下げを決定しております。
最後に、米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、大口投機家のIMM通貨(円)のネット・ロングは8月5日時点で前週比7237枚減少の8万2006枚と、2週連続で減少となりました。ただ、依然として買い越し幅は高水準となっております。
IMM円のネット・ロング
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