米ドル・円
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米ドル・円は、日銀が12月の金融政策決定会合で利上げする公算が大きいとの一部報道を受けて、12月5日に154.34円まで円高が進む場面も見られるも、FOMC(米連邦公開市場委員会)が「タカ派的な利下げ」になるとの見方が拡がる中、円売りドル買いの動きが拡がり、156円台を回復しました。
FRBはFOMCで3会合連続の利下げを決定。また、短期国債の買い入れ開始も決定したことから、米長期金利が低下。主要通貨に対するドル売りが優勢となった。来週の金融政策決定会合で日銀が利上げに踏み切るとの見方が強まる中、日米金利差縮小観測から、円買いドル売りの動きが拡大。11日に154円台まで円高が進む場面も見られております。ただ、円買い一巡後は、投資家のリスク選姿勢が強まる中、ドルが買い拾われて反発に転じました。
FOMCは通過したものの、今年最後の「中銀ウィーク」は後半戦に入り、来週は日銀金融政策決定会合が開催されます。植田総裁の発言が利上げに積極的と受け止められ、市場が予想する12月の利上げ確率は約9割まで上昇するなど、市場は利上げを既に織り込んで推移しております。
日銀はこれまで「中立金利」について1.0~2.5%と発信してきており、下限の1.0%を利上げの天井とみる向きが多いようです。そのため、焦点は日銀が「中立金利」の下限を引き上げるなどして、追加利上げの余地を残すかになりそうです。なお、植田総裁は12月1日に、次回の利上げ時に「中立金利までどれくらい距離があるのか、もう少しハッキリと明示したい」と明言しております。
155円近辺でドルが買い拾われる展開が続いていますが、利上げに踏み切るようだと、日銀とFRBが同月に「逆方向」の政策変更を決める異例の事態となり、日米の金融政策の方向性の違いから円買いドル売りの動きが拡大しそうです。
12月5日付けた154.34円を割り込むようですと、9月17日の145.48円から11月20日の157.89円の上げ幅をフィボナッチ・リトレースメントで見た場合の38.2%押し水準153.15円を意識した動きになることも想定されます。
なお、利上げが行われるようだと、2025年の利上げ幅は1月分と合わせて0.50%程度となり、35年ぶりの大きさとなります。また、1995年9月以降、政策金利が0.50%を超えたことはなく、約30年ぶりの高い水準となります。
最後に、米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、大口投機家のIMM通貨(円)のネット・ロングは11月4日時点で前週比1万6850枚減少の5万1265枚と、2週連続で減少しております。
IMM円のネット・ロング
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