米ドル・円

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米ドル・円は、貿易協議が進展し、米中対立が緩和に向かうとの期待が拡がる中、米長期金利が上昇。ドルが主要通貨に対して急伸する中、5月12日に148.65円まで円安が進む場面も見られております。ただ、急ピッチな円安に対する警戒感が強まる中、上昇が一服。その後、米格付け大手ムーディーズ・レーティングスが16日に、米国債の格付けを1段階引き下げたことを受けて、ドルが売られる中、節目の145円を再び割り込みました。

その後も、先進7ヶ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議や日米財務相会談を控えて、米国が円安是正を要求するとの警戒感が再度強まる中、円が買い戻される展開が継続。加藤財務相とベッセント米財務長官が21日に会談し、米財務省が「為替水準について議論は無かった」と発表したことから、円売りドル買いの動きが強まる場面も見られたものの、円高の流れは変わらず。

米国債を巡っては、三大格付け大手のうちフィッチ・レーティングスは2023年8月1日、S&Pグローバル・レーティングは2011年8月5日に、既に最上級から格下げしており、3社目となる今回の格下げの影響は限定的に留まっている様です。とは言え、トランプ減税の恒久化を含む大型法案を米下院が可決。上院での修正が見込まれるとはいえ、税収減による政府債務の膨張は不可避とみられております。また、連邦政府の債務上限問題が7月に再燃する見通しで、米長期金利の高止まりが続く中、株安・債券安(金利上昇)・ドル安の「トリプル安」が再燃するとの懸念が燻っております。

4月22日の139.88円から5月12日の148.65円の上げ幅をフィボナッチ・リトレースメントで見た場合の61.8%押し水準143.23円辺りではドルを買い拾う動きも見られているようですが、テクニカル的に一目均衡表の雲がレジスタンスとして意識され始めている上に、MACDがデッド・クロスとなる中、引き続き円高基調が続きそうです。

なお、米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、大口投機家のIMM通貨(円)のネット・ロングは5月13日時点で前週比4591枚減少の17万2268枚と、2週連続で減少。ただ、15週連続でネット・ロングを維持しております。

 

IMM円のネット・ロング

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